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ADOBEって、、、 [FLASH !]

昨日 Adobe は、モバイル向け Flash Player の開発打ち切りを 公式表明したそうです。

ほんの1年前には iPad など Apple社製デバイスが Flash対応しないことにヒステリックになり、Android陣営ににじり寄っていたはずなのに、いきなりの方針転換で モバイル向け Flash Player 開発打ち切りとは驚きですね。
Android は、Flash に対応しているからという理由で買った人も多かったはずなのに。
自社の都合なのか、Google との関係が悪くなったのか知りませんが、さっさと Flash に見切りを付けるとは、ユーザーのことを念頭に置いた判断とは思えない無責任さです。

思えば、飛ぶ鳥を落とす勢いで普及していた Flash 欲しさに、会社ごと買収し、手に入れてからは製品価格をつり上げ、互換性の悪いバージョンアップを繰り返し、挙げ句の果ては、セキュリティや消費電力問題で製品価値を落としめ、ついにはモバイル版開発中止に至る.... ADOBE には、FLASH をきちんと育てる気も、力も無かったのではないか?

FLASH は、今なお PCでの閲覧可能なマルチメディアコンテンツとして、普及率 No.1 の地位を維持していますが、ADOBE のこのような姿勢と、HTML 5 の台頭によっては、その地位も危ぶまれるようになって行くのでしょうかね。Macromedia 時代からの Flashユーザーとしては、気が気ではありませんね。

たとえ、いずれ新しい技術に置き換わられて行くにせよ、開発メーカーたるもの最善の努力はしてほしいものです。まぁ、買収してきた技術ばかりなので、開発メーカーとしてのプライドや意地などは無いんでしょうね。
今の ADOBE には。


また、昨日の発表には、もう一つ驚くべきものがありました。
アドビ クリエイティブ製品のアップグレードポリシー改定について

ただでさえ、価格設定が高すぎると批判される ADOBE 製品なのに、アップグレード条件を見直し、直近バージョン以外の製品からのアップグレードは全て廃止するとの一方的通達。

手持ちの製品が、例えば 一つ前のバージョン CS4 ならば、年明けにも発表されるであろう CS6 へは、バージョンアップ出来なくなるということです。
バージョンアップ料金が高く、サイクルも短いため、多くのユーザーが 一つか二つ飛ばしでバージョンアップする傾向があることに対する ADOBE がとった、ユーザーへの仕打ちとも言える決定です。

デザイン業界、出版業界が ADOBE 依存症であることをいいことに、殿様商売をしてきたことは誰もが知るところですが、それを許してきたユーザーにツケが回ってきたということでしょうか。

アップグレードポリシー変更に合わせて、新しいサービスも発表されました。
バージョンアップ出来なくなるユーザー、高い製品版を新たに購入したくないユーザーに向けた新しいサービスとして、個人月額 ¥5,000(1年契約:¥60,000 消費税別)(法人契約は 月額¥7,000)で、ADOBE製品使い放題というサブスクリプション契約です。

使い放題なら、一見お得なようにも思えますが、、、
多くの場合は、Illustrator と、Photoshop だけとか、あと、Flash と Dreamweaver だけというのがほとんどではないでしょうか? 3年契約で、20万円近い出費(個人契約:パソコン1台当たり?)。しかも、契約を解除すると、使えるソフトは何も残らない。あとから、ちょっとだけ修正したいという時でも、開くことすら出来ない訳ですから、ずっと契約を更新し続けないといけないということになる。これぞ、言われる ADOBE税。

新しくデザイン会社でも立ち上げるならともかく、過去のデータやノウハウが資産となっている既存の会社では、当面は現在までのバージョンでとどめておこうという考えが支配的になるのではないでしょうか?
実際、この業界では、いまだに、AI5.5、AI8、CS2 辺りのバージョンに留まっているところがほとんどです。
(AI5.5は、DTP黎明期のスタンダード。AI8は、PS & OS9 ネイティブ対応。CS2は、G5ネイティブ対応)

サブスクリプション契約者が ADOBE の目論み通り大幅に増えれば、常に最新バージョンがデファクトスタンダードになる可能性も無い訳ではないですが、かなり難しい気がしますね。

この業界が停滞する種が、またもや ADOBEによって蒔かれたような気がします。 ADOBEって、、、



← 一つ手前の FLASH関連ブログ <緊急情報。Flash Player 11 の互換性問題> はこちら



追記:20111111
とりあえずは、朗報! 11月10日にリリースされた、Flash Player 11の最新バージョン11.1.102.55 では、上記リンクで緊急報告していた互換性問題が修正されました。
珍しいこともあるもんだ。クレーム対応するなんて。とりあえず今回の件だけは 目をつぶりましょうか。
それにしても、アップグレードポリシー変更は頂けない。

追記:20120112
さっき、ADOBEよりお知らせ有り。
「アドビでは、2011年11月10日にCS6とAdobe Creative Cloudのリリースと同時にCS5/CS5.5のお客様のみアップグレード価格が適応されるというアップグレードポリシー改定についてご案内させていただきました。その後再度検討を重ねた結果、より多くのお客様に時間をかけてCreative Cloudへの移行またはCS6へのアップグレードご検討頂けますよう、CS3, CS4のお客様もアップグレード版をご購入いただける期間を設けさせて頂くようになりましたので、ご案内申し上げます。CS3/4ユーザー様向けCS6アップグレード版は、CS6のリリースから2012年12月31日までの提供となります。」だとさ。

不細工なことにも、こんな訂正をしないといけなくなるのは、よほど反響が良くなかったんでしょうね。
とりあえずは、現CS3・CS4ユーザーに限り、1年間だけ猶予しましょうってことですか。
ADOBEって...。



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