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FreeHand VS Illustrator [FreeHandで行こう!]

【 FreeHandで行こう!】その61 <FreeHand VS Illustrator

今は昔。MAC系の雑誌では、上記タイトルの特集記事をよく見かけたものです。懐かしく感じる方も多いのではないでしょうか。

どっちのソフトが本当に使えるのか?
答えは当ブログをご覧いただいた後で、ご自身で判断していただければと思います。

Illustrator ユーザーの方、FreeHand なんて関係ねぇって無視しないでくださいね。あなたがお使いの多くの機能のルーツがここで再確認出来るかもしれません。 初期バージョンからの機能一覧表も作成してみました。
 
今までの情報に関して言えば、使用者人口で圧倒的に Illustrator が優勢だったために(特に日本では)、
FreeHand の事はあまりにも知られていなくて、正当に評価されてこなかったというのがあるんですよね。
(アウェイゲームのような感じでしょうか? 雑誌特集の中には、ろくに評価もせずに誤った記事を載せていたものも散見されました..)

実は、Illustrator が圧倒的なシェアを取っていた理由の一つとしては、ばらまかれた違法コピー製品の存在がありました。
当時の ADOBE の企業収益の大半は PostScript プリンタの特許収入でしたから、Illustrator のコピーものであっても、普及さえすれば PostScript プリンタ(100万円超〜)が売れ、企業収益に大きく貢献したんですね。
デファクトスタンダードの座を獲得する為にも、意図的に黙認していたのではないかとも言われています。

今回は、あえて過去にまで遡り、初期バージョンからの歴代比較も織り交ぜながら、最新版 Illustrator CC に至る全バージョンで ガチンコの機能比較をしてみたいと思います。

すでに10年も前に開発が終了した FreeHand と、ADOBE が総力を挙げて開発を続けている Illustrator を比べて、今さら そんなものが比較対象になるのかと言うなかれ。
私は、このブログで、FreeHand は将来の Illustrator の姿そのものであると主張し続けてきましたし、実際その通りになってきているんですから。


前回も書きましたが、ADOBE は、FreeHand が持っていた全特許、アイデアやインターフェースも含め、会社ごと買収した訳ですから、FreeHand の機能をそのまま移植することに関して、なんら問題があるわけではありません。
ただ、FreeHand ユーザーとしては様々なわだかまりもあって、素直に承服出来ないというのが正直なところなんですよね。
 
まず、私は、今後とも引退するまでの間ずっと FreeHand を実務で使い続けることを公言していますので、FreeHand が時代遅れのアプリケーションと勘違いされたり、FreeHand にこだわり続けるデザイン事務所に対して変な偏見を持たれることは本意ではありませんから、FreeHand と 世界中の FreeHand ユーザーの名誉の為にも、FreeHand の独創性と優位性を、あらためて訴え続けずにはいられないのです。

また、「Wikipedia では FreeHand は Illustrator に機能的に後れを取っていたというような記述があるんだけど FreeHand の方が進んでいたという人もいるし、どっちが本当? 」という書き込みも見かけます。
Illustrator しかご存知無い若いデザイナーの方にも、是非真実を知っておいていただきたいと思うのです。




初期バージョンの頃のお話

良きライバル関係と言われていた当時(〜Ver.3の頃)の状況については こちら もご覧下さい。(20年ほど前のお話を書いております)

よく言われるのは、Illustrator はプレビュー編集が出来なかったこと。
CAD みたいな感じで、線画(アウトライン表示)でしか操作が出来ず、着色イメージは、プレビューに切り替えてレンダリングする必要がありました。まさに当時の版下作業そのものですね。今では考えられないことですが、プレビュー画面は確認専用の表示オンリー(色校正で確認するようなもの)で一切編集操作を受け付けないと言う仕様だったのです。Illustrator のプレビュー編集機能は Ver.5 の登場を待つことになります。

対する FreeHand は、初期バージョンからプレビュー編集が標準でしたが、別にそんなことを取り立てて先進的であったと主張するつもりはありません。WYSIWYG が標準だった MAC では、これが普通のことだったからです。

ただ、アウトライン表示での操作が前提だった Illustrator と、WYSIWYG 環境での操作が前提だった FreeHand では、操作に対するアイデアが当初から違っていました。
アウトライン表示では輪郭線にポインタが触れることで反応するように設計すれば良いだけですが、WYSIWYG では、重なった塗りの扱いや、塗りに隠れたオブジェクトを的確に操作する手立ても用意する必要が有ったからです。
例えば、下に隠れたオブジェクトを簡単に選択する操作方法は Illustrator には用意されていませんでした。
今でも、クリックではなくてドラッグでの選択時、Illustrator ではポインタが輪郭に触れただけで選択する(してしまう)のに対し、FreeHand では塗面を囲わなければ選択しないようにしてある等の違いがあるのは、当時のインターフェースの違いをそのまま継承しているからと考えられます。(→ 選択操作の違いに関してはこちらをご覧下さい。)

この頃の Illustrator は、主な用途としては、先行していた組版ソフト(Aldus PageMaker 1985年リリースや、Quark Xpress 1987年リリース)に EPS形式のグラフィックパーツを提供するか、印画紙出力のモノクロ版下(写植に代わる文字や図版、写真のアタリ罫を有した版下原版)を作成する為のソフトと位置づけられていたと解釈出来ます。その為、ドキュメント(用紙サイズ)概念も無く、アプリケーション単体での分版機能なども持ち合わせていませんでした。

対して、初期バージョンから WYSIWYG 対応していた FreeHand は、単独でのプリプレス製版までを前提にしており、アプリケーション単体での分版機能が実装されていたのです。
インターフェースに関しても、レイヤーパレット、スタイルパレット等、今日必須のものが、当時から いち早く採用されていました。


少し整理してみましょう(FreeHand 3、Illustrator 3 の頃  〜1992年頃の比較)
 
FreeHand 1 〜 3 Illustrator 1 〜 3
WYSIWYG 対応操作環境 (Ver.1から) 未対応(Ver.5から対応)
ドキュメント概念(Ver.1か2から) 未対応(Ver.5から対応)
グラデーション塗り(Ver.1か2から) ブレンドで対応(Ver.5から塗り対応)
ハッチング・PS塗り(Ver.1か2から) 未対応(Ver.6でハッチングに対応)
テキスト白ふちくくり(Ver.1か2から) 未対応(Ver.9のマルチアピアランスで対応)
テキストアンダーライン(Ver.1か2から) 未対応(CS2 から対応)
複合パス(Ver.1か2から) 未対応(Ver.5から対応)
複数パスの連結(Ver.1か2から) 未対応(CS5 から対応)
複数回のUnDo(Ver.1か2から) 1回のみのUnDo(Ver.5から複数回に対応)
レイヤー、スタイルパレット搭載(Ver.3から) 未対応(Ver.5から対応)
単独分版機能搭載(Ver.3から) 未対応(Ver.7から対応)
ブレンドの再編集(Ver.3から) 未対応(Ver.8から対応)
グレーTIFFへの着色(Ver.3から) 未対応(CS2から対応)
テキスト関連やグレーTIFFへの着色などは入れるほどでもないんですが、採用時期があまりにも開いているのであえて入れてみました。



記憶を頼りに書いていますので、若干の間違いはあるかもしれません。
私は、FreeHand 2 から使い始めましたので、1か2の判断は出来ません。
ひょっとしたら、Illustrator の方が優れていた部分も有ったかもしれませんが、思い当たりません。
当時のことに詳しい方がおられればお教え下さい。


FreeHand 3 は、グラフィックソフトとしては、当時すでに十分な機能を有していたのが解りますね。
実際、今さわってみても全く違和感なく、充分使えるレベルと感じました。
 (G5:OS10.4.11 の Classic 環境でビュンビュン動きますよ)

ただ、現在の高速なマシンでも重いデータなどはアウトライン表示の方が速く表示出来るように、当時の非力なマシンでは、常に WYSIWYG 表示する FreeHand が重く感じられたのは間違い有りません。
 ( Ver.3 などは、当時の最高スペックマシン:Quadra クラスでなければ厳しかったのも事実です)
 (ちなみに、Quadra 700 のクロックは 25MHz。実に1GHz の1/40の処理速度でしかありませんでした)

MAC導入の初期の話ですから、使い手もプリプレス分版出力などを考えなければ、モノクロ印画紙出力で満足出来る Illustrator が、手軽さを武器に先に普及したと言うのもうなずける話です。




バージョン5の頃のお話


では、続いて Ver.5 辺りの機能を比較してみましょう。
上の表を見て解る通り、Illustrator はバージョン5で、一気に進化します。
その理由は簡単です。
1994年、ADOBE は1度目の FreeHand 買収(ALDUS 会社ごと)を成功させます。
FreeHand 開発陣は、実は ALDUS とは別の会社 ALTSIS にあり、FreeHand の販売権のみを ALDUS に提供していました。
ALTSIS は、ADOBE が ALDUS を買収しても FreeHand の版権獲得にはならず、獲得を主張するならば独禁法にも抵触するとして ADOBE を提訴。 ALTSISは裁判に勝訴し、FreeHand の版権は取り戻され、Macromedia と合併して FreeHand の再起を賭けることになります。

WEB の記事によっては ADOBE から Macromedia に放出されたような書き方をしてあるものを見かけますが、大きな間違いです。ADOBE は FreeHand を獲得したが、裁判に負けたことで手放さざるを得なかったと言うのが事実であり、結局は Macromedia までも買収し、2度目にしてようやく FreeHand を獲得することになるのです。

ちなみに、ADOBE が敗訴した独禁法裁判の実行期間は10年とされていたようで、ADOBE にすれば、きっちり10年後の再買収でリベンジを果たしたという事かもしれません(Macromedia 買収は2005年)当時の ADOBE CEO ブルースチゼン氏は、「ようやく終わった」と漏らしたと言われています。
まさに因縁の(執念の)FreeHand 買収劇は、ここから10年越しの展開へと発展して行くことになるのです。

ADOBE が実質 FreeHand を買収していた期間に Illustrator 5 が開発されていたのです。
FreeHand 3 時代の多くの機能が Illustrator 5 に搭載されたのもうなずけますね。
(FreeHand 4 は、既にマルチページへと進化していました。買収騒動の中、英語版のみ一時出荷されました)


鳴り物入りで採用された Illustrator 5 の新機能「パスファインダー」も、恐らく ALTSIS 保有の特許(申請中)をその期間中にくすねたものだったと思われます。(後に裁判で争い、ADOBE は敗訴します:「合成したグラフィック・エレメントを自動で再合成する技術に関する特許」のくだり。1991年申請 1995年成立)
 追記:旧いリンク記事のため、2014年までは存在しましたが、現在は削除されています。保管画像はこちら



それでは整理してみましょう(FreeHand 5〜7、Illustrator 5〜7  1995年頃〜1997年頃にかけての比較)
 *FreeHand 5 は ADOBE に買収されていた為、1年ほどリリースが遅れます。 また Ver.6 はありません。
  (結局、この空白の1年のダメージがシェアを大きく割るきっかけになってしまうんですよね....。)
  Ver.7 以降は、おおむね同タイミングのリリースに戻ります。
 
FreeHand 5〜7 Illustrator 5〜7
マルチページドキュメント (Ver.4から) 未対応(CS4から対応)
パスファインダー(Ver.5から) パスファインダー 特許侵害(Ver.5から)
テキストタブルーラ・段落設定等(Ver.5から) テキストタブルーラ・段落設定等(Ver.7から対応)
RGBカラーへの対応(Ver.5から) RGBカラーへの対応(Ver.7から対応)
テキストボックスのリンク(Ver.5から) 未対応(Ver.8から対応)
パスの単純化(Ver.5から) 未対応(Ver.9 から対応)
パス上文字ツールオプション(Ver.5から) 未対応(CSから対応)
3D回転魚眼ツール(Ver.5から) 未対応(CS から対応)
筆圧感知ペンタブレット対応(Ver.5から) 未対応(CS2 から対応)
レイヤー名のインライン編集(Ver.5から) 未対応(CS6 から対応)
自動拡張テキストボックス(Ver.5.5から) 未対応(Illustrator CC から対応)
テキストインライングラフィック(Ver.5.5から) 非対応
Shock Wave FreeHand(Ver.5.5 Flashの礎) ---
カラーマネジメント(Ver.7から) 未対応(Ver.8から対応)
JPEG 対応(Ver.7から それまでは .tiff、.eps) 未対応(Ver.8 から対応 それまでは .eps のみ)
スクリプト対応(Ver.7から) 未対応(Ver.10 から対応)
埋め込み画像の抽出(Ver.7から) 未対応(Illustrator CCから対応)
白オーバープリントの自動無効化(Ver.7から) 未対応(Illustrator CC から対応)
透明の塗り(レンズ塗り)(Ver.7から) 未対応(Ver.9からフィルタで対応)
高度なオートトレース(Ver.7から) 未対応(CS2 から対応)
ドラッグドロップ配置(Ver.7から) 未対応(CS2 から対応)
パレットからのポイント整列(Ver.7から) 未対応(CS3 から対応)
CSS・HTML書き出し(Ver.7から) 未対応( Illustrator CC から対応)
タブパレットの連結 特許侵害(Ver.7から対応) タブパレットの連結(Ver.5から)
*レイヤー名のインライン編集なんてどうでも良さそうなものですが、CS6 の新機能として大きく扱われてましたのであえて入れてみました。
*埋め込み画像の抽出や 白オーバープリントの自動キャンセルも、対応遅すぎですねぇ。なんで?(Illustrator CC でようやく対応)
*上記の表では、当ブログ内の関連ページへ リンクを張ってみました。INDEXもあります。


記憶を頼りに書いていますので、若干の間違いはあるかもしれません。
おおむね、バージョン7辺りまでは、Illustrator の方が優れている部分があったようには思い当たりません。
どなたか詳しい方がおられましたら、お教え頂ければと思います。
動作速度に関しても、Illustrator もプレビュー編集になったことで CPUパワーを必要とするようになり、かえって FreeHand の方が軽快と言われるようになっていました。

それにしても、埋め込み画像の抽出や、白オーバープリントの自動キャンセルは、対応遅すぎですねぇ。
FreeHand では、Ver. 5 で白オーバープリント指定の問題が出るや、Ver. 7 では対策されていましたけど。

FreeHand 7 に搭載された透明塗りは、当時のポストスクリプトプリンタには想定されていない表現だった為、業界をアッと言わせましたが、もちろん問題無くプリプレス印刷に対応していました。Illustrator の透明機能は Ver.9 のフィルタからですが、プリプレス印刷に対応するのは Ver.10 以降になります。


しかし、それでも1年のブランク期間と、買収されたソフトとして将来性を危ぶまれる嫌な噂が流布され、この時期 FreeHand は一気にシェアを落としてしまうんですよね。 ADOBE の思う壷だぁ。


ちなみに後日談になりますが、Illustrator の特許侵害(パスファインダー)は結構深刻で、裁判所は Illustrator から同機能を削除するように命じましたが、パスファインダーは、Illustrator操作の要の一つである為、応じることが出来なかったのでしょう。ADOBE は和解の方向を模索し、あろうことか Macromedia社を吸収合併するに至ってしまうのです。

FreeHand 側の特許侵害は、Macromedia 共通インターフェースとして Flash や Dreamweaver にも採用されていた、タブパレット(パネル)結合に関するものです。Macromedia 社は、他社アプリケーション(microsoft など)にも広く採用されている一般的なアイデアで特許とは認められないと主張していましたが、判決に従い、MXシリーズの共通パレットから同機能を削除しています。MXシリーズアプリのパレットを結合したり分離しようとすると「パネルグループを選んでください」というメッセージが出るのはこの為です。

判決に素直に従った Macromedia 社が、判決に従わなかった ADOBE 社に、結局は札束で買収されてしまったと言うお話でした。冒頭に書いた「様々なわだかまりもあって、素直に承服出来ない」気持ち、解ってもらえるでしょう?



バージョン8の頃のお話


では、続いて Ver.8 辺り〜の機能を比較してみましょう。
この頃、デザイン業界のデファクトスタンダードは Illustrator 5.5 で完全に止まっていました。
何が悪かったのか、Illustrator 6、7 は非常に評判が良くなく、周りでも使っている人は皆無でした。

Ver.9 では、透明に対応するフィルタ機能が追加されましたが、商業印刷には対応していなく、印刷業界ではフィルタの使用は御法度とされ、結局 Ver.9 もトラブルメーカーとして敬遠されました。

Ver.10が出る頃は、OS9 から OSX 移行の時期でしたが、多くの印刷関係会社は OSX への移行を躊躇していた時期でもありました。OS9 で使う分には、Illustrator 8 が安定していて都合が良かったようで、OSX 移行までの数年間(比較的最近まで)は、Illustrator 8 がデファクトスタンダードになっていたようです。


その頃の FreeHand は、マルチパーパスソフトへと舵を取っていた時期で、HTMLパブリッシュや FLASH アニメーション・ページコンテンツ書出し機能などで ワンソースマルチパブリッシュ(複数ページの DTP データを核に、リンクやアニメ機能などを持たせ、様々なマルチメディアに対応)を実践。 独自路線を進めていましたが、その有用性は あまり理解されなかったようです。
下の表を見て解る通り、特に FLASH 関連の機能強化に力を入れていましたが、印刷関係の人にとっては目に入らなかったという事でしょう。

さらに言えば、複数ページ PDF 書き出し機能では、ページ間リンク、外部リンクも簡単に設定出来ましたが、ローカライズ未対応で日本語が文字化けしてしまう事などで印刷関係の人には致命傷に映ってしまったようです。(FreeHand から PDF に書き出すには、普通の方法:PSファイルに書き出してから Distiller で PDFに変換すれば問題ありません。 但し、リンク設定は反映されません。)
でも、PDFにリンクが設定されているとホントに役立つんですよね。ちなみに Acrobat でもリンク設定出来ますが、やり方がめんどくさすぎてほとんど設定する気になれないんですよね。やっぱり FreeHand で設定したものがそのまま書き出し出来ていればなぁ...。(フォントをアウトライン化してから書き出せばリンクの生きたPDFが作成出来ますけどね)


それでは整理してみましょう(FreeHand 8〜10、Illustrator 8〜10 1998年頃〜2001年頃にかけての比較)
拮抗した機能を中心に挙げましたので、いち早く搭載された方の Ver.No を赤文字にしてみました。
 
FreeHand 8〜10 Illustrator 8〜10
Flash アンチエイリアス表示(Ver.9から)
プレビューアンチエイリアス表示(Ver.11から)
プレビューアンチエイリアス表示(Ver.8から)
非対応(別対応:多彩なグラデーション グラデーションメッシュ(Ver.8から)
ブラシの搭載(Ver.10から それまではカリグラフ・カスタム・パターン・ポストスクリプト塗り等で対応 ブラシの搭載(Ver.8から)
シンボル機能の搭載(Ver.8から) シンボル機能の搭載(Ver.10から)
ショートカットカスタマイズ(Ver.8から) ショートカットカスタマイズ(Ver.9から)
エンベロープ自由変形ツールなど(Ver.8から) エンベロープ・自由変形ツールなど(Ver.10から)
パスセグメントの変形(Ver.8から) パスセグメントの変形(Ver.17.1(CC) から)
Flash アニメ書出し機能(Ver.8から) Flash アニメ書出し機能(Ver.10 から)
フォントメニューのプレビュー表示(Ver.8から) 未対応(CS から対応)
出力用にファイル収集(Ver.8から) 未対応(CS6.1(CC) から対応)
Flash ページコンテンツ書出し機能(Ver.9から) 非対応
Tiff クリップパス・アルファレイヤー対応
(Ver.9から)
未対応(CS6 から対応)
3Dパースグリッド(Ver.9から) 未対応(CS5 から対応)
PDF 2バイト文字非対応(英語は Ver.7で埋込対応)
PDFページリンク・外部リンク書出し(Ver.8から)
フォント埋込PDF書出し(Ver.9から)
PDFリンク書出しには非対応
未対応(Ver.11から対応) アピアランスの搭載(Ver.9から)
Flash アクションスクリプト対応(Ver.10から) 非対応



記憶を頼りに書いていますので、若干の間違いはあるかもしれません。
冒頭で紹介した、「Wikipedia では FreeHand は Illustrator に機能的に後れを取っていたというような記述があるんだけど FreeHand の方が進んでいたという人もいるし、どっちが本当? 」は、この辺りだけを見ると判断に悩むところかもしれませんね。
Illustrator 8 が採用したアンチエイリアスプレビューは大変評判が良かったし、グラデーションメッシュも新しい可能性を感じさせてくれる機能でした。
Wikipedia で後れを取っていたと書かれたのはここの部分だけを言ったものでしょう。

確かに、イラスト描画機能に力を入れた Illustrator と、マルチパブリッシュに力を入れた FreeHand の、どの部分に着目するかで評価も変わろうと言うものです。
ただ、従来からのアドバンテージ部分や、新しい概念のワンソースマルチパブリッシュ、その後(MX)の先進性を見ても、Wikipedia に書かれている「時代遅れ」は的外れな指摘と言わざるを得ません。

また、パスファインダーの機能を Extra(自社プラグイン)で搭載したことに何か問題があると言いたかったのでしょうか? Illustrator の多くの標準機能も自社プラグインで提供されているんですけれどもねぇ。

(ちなみに、Ver.5〜7あたりのプラグインは、技術公開されていたため FreeHand、Illustrator 共通で使用出来たんですよ。Ver. 8 の頃、ADOBE が仕様を変更して共通で使えなくしてしまいました。FreeHand ユーザーが Illustrator 用に開発されたプラグインを使うのが許せなかったんでしょうかね。
ちなみに、FreeHand 用として、サードパーティプラグインの Kai's Power Tools がバンドルされていた時期も有りました。(多分、Ver.5.5 か 7 の頃。残念ながら MX では使えません。Ver.10までに対応)
MX バージョンで使える FreeHand 専用のプラグインとしては、自動ノンブル(マルチページに自動でページ数を入力してくれる)などがあります。(必要な方はこちらから<フリーウェア(無料)です>))




バージョン11( MX / CS )〜 のお話


いよいよ、FreeHand の最終バージョンとなった FreeHand MX(Ver.11.01 英語版は 11.02)と、Illustrator CS(Ver.11)〜 最新版 Illustrator CC(Ver.17)に至る Illustrator 総力軍団との比較に入りましょう。
 
〜 FreeHand MX(Ver.11) Illustrator CS〜CC(Ver.11〜17)
.swf ファイルの配置・AS2対応(Ver.11から) 非対応(別アプリ Flash Catalyst CS5 で対応)
各種ベクターエフェクト(Ver.11から) 効果エフェクト(Ver.10から)
各種ラスターエフェクト(Ver.11から) 効果エフェクト(Ver.10から)
3D押出し(Ver.11 (2003.3) から) 3D効果(CS (2003.10) から)
非対応 合成フォント(CS から)
パスのオフセット(Ver.11から) 線のカスタム位置(CS2 から)
マルチ属性オブジェクトパレット(Ver.11から) コントロールパレット(CS2 から)
消しゴムツールなど(Ver.11から) 消しゴムツールなど(CS3 に移植)
ブラシへの透明・画像の適用(Ver.11 から) ブラシへの透明の適用(CS5 から)
ブラシへの画像の適用(Illustrator CC から)
ライブ角R(多角形・矩形・円弧)(Ver.11から) ライブコーナー(Ver.17.1(CC) から)
ペンツールプレビュー(Ver.11から) ペンツールプレビュー(CC 2014 から)
6色分版(ヘキサクローム対応)(Ver.11から) 非対応
*以下、旧バージョンからの機能(重複表示含む) *以下、FreeHand 買収後に追加搭載された機能
テキストアンダーライン(Ver.1か2から) テキストアンダーライン(CS2 から)
グレーTIFFへの着色(Ver.3から) グレーTIFFへの着色(CS2 から)
筆圧感知ペンタブレット対応(Ver.5から) 筆圧感知ペンタブレット対応(CS2 から)
オートトレース(Ver.7から) ライブトレース(CS2 に移植)
ドラッグドロップ配置(Ver.7から) ドラッグドロップ配置(CS2 から)
パレットからのポイント整列(Ver.7から) パレットからのポイント整列(CS3 から)
マルチページドキュメント(Ver.4から)
マスターページ機能追加(Ver.11から)
複数のアートボード(CS4 に移植)
マスターページは非対応
複数パスの連結(Ver.1か2から) 複数パスの連結(CS5 に移植)
[線]パネル内で矢印付加(Ver.1 か 2 から) [線]パネル内で矢印付加(CS5 に移植)
3Dパースグリッド(Ver.9 から) 3Dパースグリッド(CS5 に移植)
当該ツール無し (まぁ、いろんな方法がありますからね。) 線幅ツール(CS5 新機能)
当該ツール無し (まぁ、いろんな方法がありますからね。) 線へのグラデーションツール(CS6 新機能)
埋め込み画像の抽出(Ver.7から) 埋め込み画像の解除(CS6.1 (CC)から)
出力用にファイル収集(Ver.8 から) ファイルのパッケージ(CS6.1 (CC)に移植)
当該ツール無し (まぁ、いろんな方法がありますからね。) 新文字ツール(Illustrator CC 新機能)
テキストタイプの相互切替(Ver.5.5 から) テキストタイプの相互切替(Illustrator CC から)
パスセグメントの変形(Ver.8から) パスセグメントの変形(Ver.17.1(CC) から)
*MX:Ver.11、 CS:Ver.11、 CS2:Ver.12、 CS3:Ver.13、 CS4:Ver.14、 CS5:Ver.15、 CS6:Ver.16、 CC:Ver.17 です。
FreeHand 買収後(CS2〜)に搭載された機能に関して、旧バージョンと重複して表示しているものがあります。
アイデアやインターフェースを含め、ほぼそのまま移植された機能に関して「...に移植」と明記してみました。



記憶を頼りに書いていますので、若干の間違いはあるかもしれません。
Illustrator の新機能については、こちらのページを参考にさせていただきました。m(_ _)m


ご覧のように、Illustrator は、初期バージョンから現在に至るまで、ずっと FreeHand を追いかける形でバージョンアップを繰り返してきました。(いかに FreeHand が進んでいたかがお解りになるでしょう。)

CS 以降のバージョンは、ライバル FreeHand を手に入れて封印してしまった為、ゆっくり、ゆっくりと FreeHand の機能を移植するだけのバージョンアップを繰り返す事となり、斯くして「FreeHand は将来の Illustrator の姿そのものである」という私の予言は、FreeHand 開発停止10年を経て、現実のことになったといえるでしょう。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、FreeHand に無い Illustrator オリジナルの技術は、グラデーションメッシュ位だったのではないでしょうか??


未だに Illustrator に搭載されていない FreeHand 独自の機能としては、Ver.8 から搭載され、最終バージョン MX で一応の完成の域に達していた FLASH 関連パブリッシュ機能が強力です。(開発陣としては、まだまだ進化させたかったようですが、、突然の開発強制終了です:機能については上記表の「.swfファイルの配置・AS2対応」をご参照下さい)
ワンソースマルチパブリッシュを実践出来る大変有用な機能ですが、ほとんど知られていないのが残念。
後に ADOBE が Illustrator データを Flash コンテンツ化する為にリリースした Flash Catalyst CS5 が同様の機能を有しますが、FreeHand の時と同様に、あまり注目される事の無いまま 後継バージョンも出荷されていません。制作の概念から変えて行く必要のあるこのような機能を周知させるのは、結構難しい事と改めて感じさせられたものです。(同様の機能は InDesign CS5 にも搭載されましたが、ADOBE の Flash 戦略の失敗と共に、ほとんど使われる事もないまま放置されることになったようです。)


FreeHand は、確かに10年前のソフトですから、新しいフォーマットのファイルが開けなかったり、新しいOSで動かなかったりします。(MAC OS は10.6.8 以下でなければ動きません。Windows 8 は問題ありません)
また、突然開発が打ち切られた為、開発途中段階の機能はそのままになり、バグ修正、日本語対応もされないままの部分もありますが、それら未完部分の使い方を心得、CS4 か CS5 あたりの Illustrator をファイルコンバーターとして利用すれば、全く実務に支障をきたすことはありません。(CS6 は、FreeHand ファイルを無視する設計になっていますのでお薦め出来ません)
DTP 実務に使用する場合は、こちらを参考にしてください。
イラストサンプルはこちらを参考にしてください。
Illustrator とのデータコンバートのノウハウなどは、改めて書いてみたいと思います。→書いてみました。


追記:20130810
ちょっと厳しい状況のお話。FreeHand MX は、当初 Windows 8(64ビット)上でも問題無く動いていましたが、本日、自動システム更新が実行されてからというもの、突然立ち上がらなくなってしまいました。
とうとう Windows 版にも来る時が来たかと観念を覚悟しましたが、なんとか XP互換設定のトラブルシューティングにより回復することは出来ました。 いやぁ、私は MAC 版しか使わないんですが、今まで問題の無かった Windows 版にも、ついに起動トラブルがやって来たのかと、戦慄を受けてしまいました。

ちなみに、Windows 8 は、スタートメニューが無かったり、メトロインターフェースのエクスプローラーで FLASH が動かなかったりと評判が良くない為、改訂版 Windows 8.1 に向けてシステムを再構築中との事です。
前回のシステム更新から FLASH は動くように仕様変更されましたが、今回の更新でも、アプリ動作に影響を及ぼす何らかの仕様変更がなされたのかもしれません。(恐らく、セキュリティ関連の強化と思われます。セキュリティレベルを変更すればアラートが出なくなりますから)



今回の記事は、冒頭にも書きましたが(OS対応は別として)FreeHand が時代遅れのアプリケーションと勘違いされたり、FreeHand にこだわり続けるデザイン事務所に対して変な偏見を持たれることは本意ではないという事で、過去に遡り整理して書いたものです。
別に、10年前のアプリケーションを皆様に強くお勧めしようという意図で書いたものではありません。

ただ、長文のブログをここまでお読み頂いた方には、このような「経緯」「歴史」があったという事と、
FreeHand は、懐古趣味で使うソフトではなく、最新版 Illustrator CC とも渡り合える現役のプロアプリケーションであると言うことをご理解頂ければ幸いです。
そして、興味がおありであれば、こちらをお読みの上、是非ものにして使いこなしてください。

また、今回は機能比較に焦点を絞って書いてみましたが、アプリケーションの良し悪しは機能だけでは語れないものです。
操作に融通が利くか、気の利いた配慮がされているか、反応が早いか、なにより愛着が感じられるか、、、みたいな部分こそ大事だと思うんですよね。その点でも、FreeHand は間違い無く第一級のアプリケーションです。
FreeHand ユーザーのこだわり ←是非ご覧下さい。


まだまだ、全世界に、Illustrator を拒絶し、FreeHand にこだわり続ける仲間が何千人(何万人?)と存在しています。2010年発足の FreeFreeHand(FreeHand ユーザーグループ)登録メンバーだけで確か6000人を超えていたと思います。(現在は意見交換のフォーラムに1000人以上のメンバーが新規登録しています。私は英語版のフォーラムには参加できないので未登録ですが)
フォーラムによると、ドイツの開発メーカーが、FreeHand クローンを開発中とのこと。
特許に抵触しないようにするために難航しているようですが、メドは立っているようです。
FreeHand は、まだまだ死なずです。

追記:
FreeHand クローン(StageStack 改め Gravit)のベータ版が公開されました。完成度はまだまだですが、基本的な操作性で FreeHand ベースなのがよく解ります。けれども、充分でないのに加え、Illustrator ライクな面が顔をもたげてくるので、私的にはちょっと不満。まぁ、Illustrator ユーザーには取っ付きやすいかもしれませんけど。リンク先の右上にある緑色の【Create design】ボタンをクリックすると、ブラウザがそのままアプリケーションに変身して使える本物のクラウドアプリです。(名前だけクラウドな CC とは違いますね。)
お試しを。

まだまだ死なずと言えば.... 余談になりますが、FreeHand MX の開発コードネームは、Phoenix(不死鳥)だったと記憶しています。
2002年、ベータテストに参加した際に使われていたコードネームです。当時は、シェアを落した FreeHand の起死回生を期したコードネームと理解していましたが、その MXバージョンは、今となっては拘り続ける FreeHand ユーザーにとっての、本当の意味での不死鳥的存在となっているんですよね。



まだまだあります。Illustrator には真似出来ないこんなこと。

・Illustrator には、形状属性って言う概念が無いんですよね。→こちら
・Illustrator では、こんな複雑なマスクは簡単には作れないでしょう。→こちら →こちらも
・Flash アニメーションがこんな方法で作れます。作った .swf も読み込めます。→こちら →こちらも
・スマホ風 横にスライドするデータを簡単作成。→こちら →こちらも
・Flashリッチコンテンツ。こんなものも FreeHand でつくれます。→こちら →こちらも
・PDF全ページを一気に読み込めます。→こちら →こちらも
・100ページを超えるページ物も、現実的に作成出来ます。→こちら
・ここまで対応出来ます。柔軟な画像の扱い。→こちら
・ここまで対応出来ます。柔軟なテキストの扱い。→こちら
・ここまで対応出来ます。HTMLコンテンツの書き出し。→こちら




最後に、海外の FreeHand ユーザーが作成した FreeHand VS Illustrator の YouTube と、US版 MacWord 誌の記事の一部をご案内しましょう。(以前 当ブログで紹介したものですが、今一度ご覧下さい)




・グループかグループでないかが一目で分かるという基本表示の違い。<入門編-2>
・下に隠れたオブジェクトが簡単に選択出来るという基本操作の違い。<入門編-2>
・マスク作成が、Illustrator より何倍も効率的という基本操作の違い。<入門編-7>

が、紹介されています。(後ろの< >内は当ブログでの説明リンクです) さらに、、、




・起動時間の差
・スターツールの角を丸める場合の操作時間の差<付録編-1>
・拡大能力の差(25600% vs 6400%)
・角R四角形作成操作の時間差<入門編-3>
・複数オブジェクトが重なっている場合の変形操作の時間差<入門編-2>
・テキストをパスに沿わせる操作の時間差

Illustrator の基本操作体系が FreeHand に比べて 如何に詰めが甘いかということは、こうして比較すればよく解りますね。
紹介されているのは、ごく一部ですが、多くの操作で同様のことが再現されます。

FreeHand で作業する方が Illustrator で作業するよりも、何倍も速く仕事ができるというのは、けっして大げさな話ではありません。

何年か前の MacWorld 誌で、FreeHand と Illustrator、Corel Draw、Canvas を科学的に比較するという記事があり(アメリカでの検証記事でした)操作の手順の回数や、マウスの移動距離、ツール持ち替え回数などに得点を設け、科学的に検証・比較した結果、ダントツで FreeHand の生産性が高いと評価されていたのを思い出します。
MacWorld 誌としては、グラフィックソフトは FreeHand を推薦すると結論付けられた記事でした。

上記の記事の片鱗を検索で見つけることが出来ました。

In January, 1997, MacWorld published an extensive analysis of the top four illustration programs for the Mac: Adobe Illustrator 6.0-.1, Macromedia Freehand 5.5, Corel Draw 6, and Deneba's Canvas 5.0.
Freehand was ranked the champ for its "flexibility, efficiency, and creative features".

FreeHand は、ADOBE に買収されていた期間(Ver.4の時代)開発が一時停止していた為、Illustrator よりバージョンが一つ分遅れていますが、評価では全ての項目で圧勝だったのです。



追記:
試しに、FreeHand VS Illustrator で検索すると、、、でるわでるわ。 全部英語ページですけど。
ほとんど FreeHand に対するラブコールばかり。いまだに新しい書き込みがあるんですね。こんな感じで

当ページなんざ、このワードでは全く上位に入れてもらえる余地も無し(^^;)
国内で、もう少し興味を持って見てくれる人が増えれば検索上位に入れるかもしれませんが....
てか、検索上位に入ることが願いなのではなくて、日本でも、もう少し FreeHand の真実の姿に目を向けて欲しいなと願うところです。



しつこいですが、最後に おまけ:
米国サイトですが、ADOBE に対する要望、苦情などをまとめたサイトに、いまでも FreeHand に関する書き込みがあります。→こちら Dear Adobe (再読み込みするたびに別の書き込みが表示されます) →こちらも

いかに FreeHand が愛され、復活が待望されているかが解ります。大半の書き込みがラブコールです。
(他の ADOBE アプリへの書き込みは、多くが苦情のようですね。 Illustrator のところを見ると、FreeHand をもっと見習えみたいな書き込みも結構散見されますよ。日本では考えられない事ですよね。
やっぱり FreeHand は海外ではメジャーソフトなんです。…… 以前 アメリカ Macromedia のマネージャーと会談したとき、「なぜ日本では FreeHand は理解されないんだ?」と質問された事がありました。「日本には付和雷同という諺があるんですよね」と答えたのを覚えています。)

はぁ。





追記 20140118
1月17日付けで、Illustrator CC がメジャーバージョンアップしたとの事です。(Ver.17.1)
注目の新機能として最上段に3つ紹介されていたものは、、、
AICC20140117.jpg

またもや、3つともが FreeHand からそのまま移植された、FreeHand ユーザーにはおなじみのものでした。
なんともはや。。。 (今まで鉛筆では直線も描けなかったの? という事実に、今さらながら驚いたりして。)

特に「ライブコーナー」を「角丸作りに革命だ!!」とか、「パスセグメントの変形」も「ベジェ曲線の革命!!」とまで言う人もいるようですが、FreeHand に昔から有ったのをご存知無かったのは残念ですねぇ。
ちなみに、パスセグメントが紹介されている記事では、アンカーポイントのハンドルが連動しないから使い方によっては美しいベジェ曲線にならない様な事が書かれていますが、FreeHand なら、ドラッグせずにポイントを打つ時(クリックポイント)でも option キー併用(MAC)でスムースポイントとして打ち込めるため、そんな懸念も無用なんですよね。
てか、なんで Illustrator は、10数年も遅れて導入しながら、機能に片手落ちがあるんでしょうかねぇ?
 (なぜって、少しずつバージョンアップしてるようなポーズをとって、もったいをつける為でしょう。
  次のバージョン以降、もう少しずつ、更に FreeHand 風に近づいてくるんでしょうね。 なんともはや..)

Ver.17 から導入されたテキストタイプの相互切替え(FreeHand は Ver.5.5から実装)なんかにしても、細かく見てみると、オーバーフローした文字が無視されて消えてしまうとか(FreeHand は消えません)、使い辛そうですね。ほんとに、ユーザーの事を考えて開発しているのか?って疑いたくなります。
FreeHand に近づいて来たとは言え、CC契約してまで使ってみようかという気にはなれないレベルです。



追記 20140621
当記事を書いてほぼ1年となる去る 6月19日、1月の17.1バージョンに続くメジャーアップデートのお知らせが届きました。名称を Illustrator CC 2014 と称することにしたようです。
まぁ、どうでもいいんですが(笑)、今回の目玉は Illustrator の肝のツールである「ペンツールとアンカーポイントの機能強化」で、「完璧なパスコントロール」「進化を超える、進化。」だそうです。
なんのことはない、またまた FreeHand 風に改善しましたということのようです。遅れること十数年、またもやそのまま移植した機能が最新の目玉機能で、もはや完璧なんだそうです。

「筆跡をプレビュー出来るペンツールプレビュー(ラバーバンドプレビューとも言うそうな)」「ペンツールで描画しながらのポイント移動」「描画中のポイント変更」(クリックポイントでもスムースポイントが打ち込めるようになりましたって、上で書いてたのがそのままやん)など、全て FreeHand ではおなじみの標準機能です。
更には、ペンツールのハンドルがグリッドに吸着されなくなった為、より正確な描画が可能になりましたって、何それ !? 「グリッドにスナップ」が ON だと、思うような線も描けなかったってわけ? 何を今さら…

で、他には...? 名前を Illustrator CC 2014 に変えただけで、他の機能説明は半年前の17.1の時のものと大差ありませんでしたから、名称を変更したことで、メジャーアップデートっぽい演出をしているつもりなのでしょうか???
CC契約を取って行くには、常に新機能でアップデートを繰り返しているというイメージをユーザーに印象づけたいんでしょうね。
確かに、少しずつでも FreeHand に近づいて来て使いやすくはなって来ているんでしょうけど、FreeHand ユーザーにとっては、人を小馬鹿にしたような情けないアップデートです。

毎月お布施を払っている Illustrator ユーザーは、本当に怒らないといけないんじゃないですか?
これだけ待って、これだけ投資しても、なお10年以上前のアプリケーションのお尻を追っかけてるだけなのかよって…



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