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MAC遍歴--7 <MAC 受難 カーネルパニックの嵐> [MAC遍歴]

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いやぁ、11月は MAC 受難の月になってしまいました。
ご覧のようなカーネルパニックの嵐。

Karnel_Panic.jpg

MAC では、少し不安定になると「爆弾」を頻発していた OS9 までのシステムに比べると、UNIX ベースとなった OSX は極めて牽牛で、まずパニクることなどはありませんでした。
実際、2003年に OSX に移行して以来、システムがエラーを起こした経験は皆無でしたが、今月に入って突然、メインマシンの G5がカーネルパニックを頻発、続いて サーバーとして6年間無停止で運用してきた MAC mini G4 も起動不能に陥るなど、こちらがパニックになってしまいました。
まぁ両者とも、5年、6年と酷使してきたわけですから、いずれこういう時も来るだろうと、代替マシンの準備はしてありましたが、さすがに2台同時に停止してしまうと焦ってしまいますね。

メインマシンとしては、G5 と 先般紹介した 新形 MAC mini を半々ぐらいで使っていたので、まずは、新形 MAC mini に全面移行。メモリも8GBに増設しました。G5 に比べ 少し力不足な面もありますが、十分使える範囲です。
もともと、新形 MAC mini は、サーバーがいずれ停止した際の代替機のつもりでの運用も考えていたため、あらかじめ予備サーバーとしての設定もしてありましたが、本当にサーバーまでもが同時期に停止してしまったため、メインマシンと掛け持ちというわけにもいかず、急遽 MAC Book Pro を臨時サーバーに仕立てての急場しのぎとなりました。

代替機で仕事をこなしながら、不調の2台の MAC 再生に挑んだわけですが、1ヶ月かけてなんとか再生することが出来ましたので、同様の症状にお困りの方の参考にでもなればと思い、その症状と対処法を以下にまとめてみました。



突然、ファンが大音量で唸り出した G5

掃除機か? と思わせるような音量で唸りを上げた G5。
いかに G5 の冷却音が大きいからと言っても、明らかに異常な音量でした。再起動をかけると、プープープーという3度のビープ音のあとに、さっきと同じファンの唸り音が出て起動出来ず。
何度か繰り返すと、起動出来ることはあっても、すぐに停止。
プープープーという警告音は、確かハードウエアの異常を報せる音のはずで、まず疑ったのは、メモリ関係か電源関係
メモリ関係を疑った理由は、以前メモリを抜き差しした際、スロットを挿し間違えて同様の音を聞いた経験があったためです。(G5は、対向するメモリスロットに同種のメモリを「対」で挿す必要があります。)
電源関係については、G5は、APPLE 公認の電源関係に弱点を持つマシンといわれていたからです。
但し、異常を発症する電源ユニットは、かなり早期にその症状を現すとされ、購入後3年までメーカー保証が延長されましたが、私のG5は既に5年を経過しているため、電源ユニットが原因であったとしても有償交換しかありません。(修理費用には、最低でも 新形の MAC mini が買える以上の金額が掛かるようですし..)
とりあえず、有償修理は最後の手段として、考えられる限りの対処法を試してみました。

まず、メモリ。 予備機で、全く同仕様の G5 が もう1台あるため、メモリを全取っ替え、、、でも、効果無し。

ファンをコントロール出来ないということは、制御関係のプログラムエラーが原因かもしれないということで、SMU(System Management Unit)のリセットも何度も試しましたが、、、効果無し。

だいたい、全く起動出来ないならハードウエアの特定の部品が逝ったのかもしれないが、時々起動出来るなら OS(ソフトウエア)の問題かもしれない。...しかし、起動CDでも同じ症状で OUT。
ちなみに、起動CDによるハードウエアテスト(何度かのトライで、かろうじて実行出来た)では、ハードウエア的には全て異常無しとの診断結果が出ました。(実行出来た時は異常なかったということか)

こうなると、ハードウエアの接触不良ぐらいしか考えられない。
何度も、メモリを抜き差しし、接点活性剤を吹き付け、ビデオカードも4つあるスロットを順番に替えたり、、、
そんなこんなで、かなり安定感は改善されてきたものの、まだ実務で使えるレベルではない。
調子のいい時はなんとか使えても、再起動すると立ち上がらない、すぐに落ちる、ダメな時は何度試しても起動すら出来ないというような状態がほぼ半月、毎日毎日繰り返されました。 しかし、少なくとも調子良く動く時もあるということは、やはり接触不良に違いないという結論に達し、意を決して全面的に分解掃除をすることに。

まず、メモリやビデオカードの接点は、目の細かい紙ヤスリで磨き、酸化皮膜を除去
さらに、全てのコネクタを外して接点活性剤を吹き付けるわけですが、G5 は下の写真のような水冷式 CPU を採用していることもあって、さすがに CPUまで全て外しての分解は躊躇されました。外せなかった CPUについては、コネクタ上から、ハンマーで衝撃を与えるにとどめましたが、私の経験的には、衝撃を与えるだけでも結構効果は期待出来ます。(旧くから、電化製品はたたけば調子が良くなると言われますが、一理あります。)

CPU_radiator.jpg
■水冷式のラジエータやウォーターポンプが備わる G5の心臓部。さすがにここは手がつけられません...。


また、ロジックボードのスロット周辺のパーツにダメージがあることも懸念されるため、8つあるメモリスロットのうち、使用していなかった2スロットのみに最小限のメモリを差し込んで立ち上げ(今までも、何度も試しててダメでしたが、分解掃除して条件が変わったため、一番確率の高い未使用スロットだけで試しました)たところ、何度再起動しても安定して動くことが確認出来ました。

ようやく、メドが立ったため、不安定要因を特定しておこうと、メモリスロットの位置を色々変えてチェックしたところ、0番、1番スロットのペアが怪しいということも突き止めました。
結果的には、メモリの使用スロットを替え、各部の接点を入念に清掃ということになります。
但し、CPU周辺のスロットは、ハンマーでたたいただけなので、いつ再発するかわかりませんが....。

以上、およそ1ヶ月の期間をかけて、なんとか G5 復活しました。
オークションなどを探すと、同様の症状と思われる G5 が、ジャンク品として出品されているのをいくつか見かけましたので、数年使用したマシンの経年による不具合(接触不良)だと思われます。
電源ユニットや、特定パーツ破損による故障はパーツを交換しなければ修理出来ませんが、上記のような接触不良が原因と思われるものについては、根気よく直せば復活させることも可能と思われます。
旧いマシンを愛用されている方で、同様の症状が出た場合には、ご参考にでもなれば幸いです。



突然、フッと逝ってしまった MAC mini G4

24時間 × 365日 × 6年。サーバとして昼夜無休で頑張ってくれていた MAC mini G4 が、フッと反応しなくなりました。 G5が不調のさなか、「 G4 よ、お前もか!」です。
WEBサーバだけでなく、ローカルのファイルサーバや、一部 旧アプリケーションの運用(発行と引用機能など)も担っていたため、出来れば、Intel CPU に入れ替えるのではなく、G4のままで運用したいというのが希望。なんとか復活を懸けての蘇生を試みました。

症状は、G5とほぼ同じで、カーネルパニックを頻発し、起動途中でクラッシュします。
起動CDでは辛うじて立ち上がるものの、システム入れ替えの途中でクラッシュしてしまい、HDD内のシステムは完全にクラッシュ。その後、何をやってもウンとも、スンとも言わなくなってしまったので、いよいよ廃棄処分かというところまでいってしまいました。(起動音も出なくなり、起動CDでも立ち上がらなくなりました)

まぁ、廃棄するにしても、G5と同じことをしてから ダメなら諦めようと、こちらも入念に分解清掃。
再組み立て後にCDから起動したところ、運良く起動音が鳴り、ハードウエアテストを行うことが出来ました。
G5では、全て異常なしとの結果でしたが、こちらのテスト結果は、メモリにエラーが発生とのこと。
メモリ PC3200U が手元に無かったため、とりあえずネットで注文。生き返るかどうかわからないので、512MB の中古品をオークションで安く購入。生き返れば、もっと大きいのに入れ替えてあげるからね。ってことで。
この賭けに見事に勝って、MAC mini G4 サーバも復活を果たしました。
ハードディスクのデータも、OSを再インストールしただけで、ほとんどのデータはそのまま生きていました。


まだまだ クラシック環境のアプリケーションも使うため(特に、発行と引用は、OSXには無い機能なので)G4や G5 には頑張ってもらわないといけません。何でもかんでも新しいものが良いとは限りませんもんね。
実際、新旧さまざまなものに対応出来るということも、仕事を請け負う上では必要なことなんです。


受難の MAC 再生の顛末はこんな感じです。
加えて今回、MACの寿命を少しでも延ばすために、放熱対策を施しました。
コンデンサなどは、熱による劣化が著しいからです。

G5のビデオボードが結構熱を持っていたので、小型のファンをつけました。(普通、高性能なビデオボードには放熱ファンがついているものですが、G5 の nVIDIA Gforce 6600 は、放熱板だけで、強制冷却のファンがついていないために取り付けました。Win 版の Gforce 6600 には冷却ファン付いてるんですけどねぇ。)計測すると、70度以上あった温度が、40度台にまで下がりました。

また、MAC mini G4 は、底面が結構発熱するため、大型のアルミ製放熱フィンを下に敷きました。
驚くなかれ、これだけでも、MAC内部の温度は10度以上低くなります。
Temperature-1.jpg
■置くとすぐに効果が出ました。電動ファンも不要なため、24時間運用のサーバーにはもってこい。
 グラフでは ハードディスクの温度を計測しています。
 外観はこんな感じ。
MAC_mini_radiator.jpg
追記:ちなみに、この立派なアルミ放熱板は、「速鮮力」という、TwinBird 社製の冷凍肉解凍プレートです。
既に絶版商品ですが、未使用の新品が、ネットオークションにたまに出品されます。
正価は¥5000ほどするものですが、¥1000 ほどで手に入りますよ。私は、既に4つ入手しました。
Mac mini と同じ質感で高級感があり、ベストマッチです。だれも台所用品とは思わないでしょうね(^^)


現在、メインで使っている Intel MAC mini は、筐体全体が発熱するため、下に敷くのではなく、天面にアルミ製放熱板(使わなくなったノートパソコンクーラー)を乗せ、その上に濡れタオルを置いて使っています。風邪引きで発熱した時に おでこに乗せるタオルと一緒ですね。 なので、一応水冷??
追記:上記の放熱板を複数入手したので、Mac mini を上下で挟んでいます。いちいちタオルを濡らす手間もなくなり、快適です。(Mac mini に傷を付けないためには、間にアルミホイルを一枚挟むと良いですよ。)

これら対策は、想像していた以上に効果がありました。
(逆に言えば、Apple の熱対策は十分ではない? ...ってか、熱によるストレスで、数年で壊れる製品の方が商売として成立するということなんでしょうか?)


大事な MAC延命のためにも、皆さんに是非お奨めです。



追記:201108
上記 MAC mini で、放熱フィンを敷いただけで すぐに内部温度が10℃低下したのは冬場の話でしたが、さすがに室温が30℃を超える夏場では、敷いているだけでは十分な冷却効果は期待できないようでした。
ならばと言うことで、強制空冷用のファン(小型扇風機)を放熱フィンに向けて取り付けたところ、ファン無し時に比べ 約5℃の内部温度低下が確認できました。やはり、夏場は強制冷却するのが無難と思われます。
24時間運用のサーバーなので、日中のみファンを回すようにしています。格安のプログラムタイマー(PT24)を活用。

通常使用の新型 Mac mini には、天板に乗せた放熱フィンに USB連動のファン(ノートパソコン用のクーラーを流用)を取り付けました。こちらは、ファン取付前に比べ 15℃ほどもの内部温度低下が確認できました。

cooler-1.jpgcooler-2.jpg
MAC Pro 導入後、Aquos の足元に鎮座することになった mini。 ノートパソコン用クーラーは裏側で活躍。



→ MAC遍歴【その8】<最後の Rosetta 対応 MAC Pro>アップしました。

→ MACの熱対策<2016版>アップしました。






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