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あっぱれ! FreeHand -6 <Snow Leopard 動作確認> [FreeHandで行こう!]

FreeHandで行こう!(番外編)その51 <あっぱれ! FreeHand その6> です。

このシリーズでは、FreeHand の優位性を紹介しています。
FreeHand の情報を求めている方や、Illustrator ユーザーの方にも、お役に立てれば幸いです。

現在、 番外編としてざっくばらんに話を進めています。
初めてお越しの方は、総集編か カテゴリーTOPからご覧になられるのをお薦めします。

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今回は、最新の OS である Snow Leopard 上での FreeHand の動作状況を報告します。
MACmini_FreeHand.jpg
■動作速度に関して

まず、FreeHand の大きなファイルを開いてみました。以前紹介したこちらのファイルです。

FreeHand_201P.jpg

A4レターサイズ 201ページの Apple Keynote ユーザーマニュアルを FreeHand で開いたもの。
G5 Quad Core での所要時間を以下のように紹介していました。

■PDFから FreeHand への読み込み(変換)に要した時間:38秒
■201ページ全体表示の再描画所要時間:約2秒
■1ページ目から、201ページ目まで順番にページ繰り表示するのに要する時間:30秒以内
 (キーボードショートカットで、1ページずつめくりました。これ以上速く指を動かすことは出来ません!)
ちなみに、ネイティブリーダーである Acrobat での所要時間は1分20秒でした。(→キー押しっぱなしで)


今回、これと同じことを Snow Leopard 搭載の MAC mini にやらせてみました。
比較しやすいよう、左から「G5」「Tiger 搭載の MacBook Pro」「新形 MAC mini」です。

  Power_MAC_G5
2.5GHz ×4core
Tiger 4.5GB_RAM
MacBook_Pro
Core2Duo 2.4GHz
Tiger 2GB_RAM
Mac_mini
Core2Duo 2.4GHz
Snow Leopard 4GB_RAM
PDFからの変換 38秒 70秒 75秒
全ページ再描画 2秒 6秒 4秒
ページ送り 30秒以内 100秒 65秒
保存後ファイルの再OPEN 10秒 14秒 16秒


ウーン、、、やっぱり G5 に比べると、相当遅いです!  約半分の処理能力。
まあ、エミュレーション動作なので仕方ありませんかね。

でもでも、それでも立派な処理速度だとは思うんですよ。
なぜなら、ネイティブで動く、Illustrator CS4 よりも速いんですから。

速度比較の為に、Illustrator CS4 でも同じファイルを試してみました。

Illustrator_CS4_99P.jpg

Illustrator は、PDF を1ページ単位でしか読み込めない為、FreeHand ファイルを読み込ませました。
但し、Illustrator の「複数のアートボード」は、上限99ページまでという制限が設けられている為、上の画像のような状態で開きます。一応、ドキュメント内には201ページ分のデータが読み込まれました。

■FreeHand から Illustrator への読み込み(変換)に要した時間:約11分(これには目をつむりましょう。)
■99ページ全体表示の再描画所要時間:約6秒(メモリにキャッシュされていれば瞬間表示。これはご立派。)
■1ページ目から、99ページ目まで順番にページ繰り表示するのに要する時間:約30秒
■AI_CS4 ファイルとして保存後の再オープンに要する時間:約45秒

Illustrator CS4 は、Intel MAC ネイティブのユニバーサルアプリですから、本来の速度が出ていると思われます。
(G5では 変換に30分以上かかり、変換直後に動かなくなってしまったので計測不能でした。Power PC では CS4 は本領発揮出来ないようです。)


ねっ。 エミュレーションで動作する FreeHand の方が速いでしょ!!


勿論、どんなソフトにも、処理の得手不得手はありますから、一概に言い切ることは出来ませんけどね。
でも、今回のドキュメントは、テキストと画像中心に構成されている一般的なものなので、動作速度を検証するには適切なドキュメントと言えると思います。(しかも、単ページのドキュメントなら、処理時間は 1/100 になり速すぎて計測出来なかったでしょう。×100倍のドキュメントなので計測もしやすいですしね。)


まぁ、Illustrator CS4 も、思ってたよりはずいぶん速かったのでびっくりしましたけど。
イラレで、テキスト満載のドキュメントを開いて、このスピードで描画するのを見たのは初めてでした。
だいぶ、進化はしてきてますね。ひょっとしたら、最速の MAC Pro でなら、FreeHand 並の処理速度が得られるようになってきたのかもしれません。作業効率や生産性は別の話しとしてですが。


※エミュレーション動作環境では、エミュレータの学習度合いによって速度が変わる場合があるため、数回計測し、平均値をとっています。G5、イラレのテストも同様にしました。


動作速度に関しては、Snow Leopard 搭載の MAC mini は、G5 の半分ほどの処理速度になります。
これは、MAC mini が遅いからではなく、Power PC 用のカーボンアプリ(OS9と共通コードで書かれた、いわば OS9とのユニバーサルアプリ)が、Intel CPU 上でエミュレーション動作していることによります。
それでも、上記の検証のように、Intel MAC 用のネイティブアプリである Illustrator CS4 より処理速度が速いなど、十分実用的であると結論付けておきます。

もともと、FreeHand は Illustrator より処理が軽快というのも美点でしたが、エミュレーションというハンデを負ってなお FreeHand の方が速いなんて、驚きですね。 けなげさすら感じてしまいます。

現在 私と同じ Quad Core の G5 をお使いの方には多少ガッカリされる処理速度ですが、G4 や 初期の G5 をお使いであれば、最新の MAC mini の方が断然速いはずです。Snow Leopard で FreeHand を使ってみたいとお考えのユーザーの方は、十分試してみる価値はあると思いますよ。




■動作挙動に関して

次に、Snow Leopard に於ける FreeHand MX の動作挙動について、気の付いたことをまとめてみましょう。
少し驚いたのは、OSが変わると、クリップボード経由のファイル形式まで勝手に変換されてしまうんですね。

旧 OS(Tiger まで)は、クリップボード経由で他アプリから画像をコピペした場合、FreeHand には、Tiff 形式でペーストされていましたが、Snow Leopard では、Ping 形式でペーストされるようになりました。また、相手方アプリによっては、全く違う色味に変わってペーストされる為びっくりします。
OS が変わるだけで、コピーペーストという基本機能に大きな影響が出ること自体驚きですが、ここをクリヤしておかないと仕事にはつかえませんので、色々試行錯誤したところ、「ペーストスペシャル」を使えば問題ないことが解りホッとしました。少し面倒ですが、従来 OS と同仕様に仕上げるには「ペーストスペシャル」を使うと良いでしょう。「Macintosh 画像」を選択します。

同様に、旧 OS では、Illustrator CS3、CS4 からも イラレデータが普通にコピペ出来ていましたが、Snow Leopard では上記同様 Illustrator のベクトルデータも画像の Ping になって(しかも色が変わって)コピーされてしまいます。この現象も、「ペーストスペシャル」を使用することで問題なくベクトルデータとしてペーストすることが出来るようになります。AI/EPS を選択します。

FireFox などのブラウザからは、ドラッグドロップで画像を持ってこれますが、やはり全ての画像が Ping になってペーストされます。色味に問題は発生せず、背景透明のアルファレイヤー付き画像でペーストされる為かえって便利に使える場合もあります。

同様に、Fireworks からのコピペでも、背景透明のアルファ画像のままペースト出来ます。(これは旧 OS でも同様です)Illustrator は、透明背景のアルファ画像のままコピペ出来なかったと思いますが、この仕様は実に便利に活用出来ますよ。

ただし、DTP に用いる場合には注意が必要となります。Ping 形式のままでは、後々 CMYK に変換しようとしても対応出来ないからです。CMYK に変換する為には、ラスタライズ(Tiff化)するか、一度リンクファイルに書き出し Tiff 形式などにデータ変換する必要が発生します。(FreeHand では、埋め込み画像の抽出が出来るため作業は容易ですが。)
ただ、Ping(RGB)のままでも印刷対応は可能ですので(当然色が変化しますので注意が必要です)、その場合には、「ファイルメニュー>ドキュメント設定>ラスターエフェクト設定」の「CMYKレンダリングに最適化」チェックを外します。「CMYKレンダリングに最適化」チェックは、RGBブラックを CMYK の墨版1版に分離する機能で4色分解の為の機能ではありません。エフェクトを設定したオブジェクト(画像を除く)に対して使用します。Ping 画像を DTP用途に4色分版する際には、チェックを外しておく必要があります。

Snow Leopard で FreeHand MX を使い始めて気になった点は上記ぐらいでしょうか。
何度か不安定になりダウンしたことはありますが(多分メモリ不足)、おおむね問題なく作業出来ています。
前回書きましたように、 FLASH 8 などに比べると、CPU やメモリへの圧迫も少なく問題無く使えますが、Snow Leopard 自体は、やはり相当量のメモリを要求するようで、4GB の RAMでも不足気味な印象です。(mini の標準 RAM は 2GB です。これでは仕事になりません。)空きスロットが無く増設出来ないためメモリが無駄になりますが、出来れば 8GB が欲しいところでしたね。折りを見て入れ替えたいと考えています。
 ※後述:8GBに入れ替えました。やはり仕事に使うには、絶対8GBは必須ですね。G5のTiger に比べて、倍以上のメモリを消費する印象です。


***


今回は、遅まきながら導入した Snow Leopard に於ける FreeHand の動作状況を報告しました。
MAC環境の G4、G5 からの乗り換えのお役に立てましたら幸いです。

ご覧のあなたは、いっそのこと MAC Pro に乗り換えちゃいますか!?
当方には、FreeHand ネイティブの G5 が2台あるので、エミュレーションでしか動かない MAC Pro は現状では視野の外なのですが、どなたか導入された方がおられたら、MAC mini との速度差などお教え下さい。当然MAC Pro の方が数段速いのは間違いないでしょうけど、ただ、ROSETTA 経由(エミュレーション)で動かす限り、そのメリットはあまり無いのではないかとも想像しています。

最後に、mini への乗り換えの最大のメリットとして、熱対策、騒音対策、省電力対策には抜群の効果があったということを付け加えておきます。
私の場合は、少なくとも夏場は mini を使うつもりです。(でなければやってられない)
冬場、足元が冷えてくるようになれば、暖房代わりに G5 をメインで使うようになるでしょう。やはり2倍の速度は魅力ですから。


***


注)
※SnowLeopard 環境で FreeHand を動かすには、Rosetta(Apple製純正エミュレータ)インストールが必須です。加えて、こちらの対策を施す必要があります。 加えてこちらをご覧下さい。


G5 に関してのコラム

世界初の64bit PC、世界最速マシンと謳われた Power Mac G5


G5 が世界初の64bit PCとしてデビューしたのは 2003年。まさしく FreeHand MX と同世代マシン。 G5 Quad は、2.5GHz の CPU を4コア積んだ最終モデル・最速マシンで 2005年製でした。

64bit PC の先駆けマシンではあったものの、当時は OS もアプリも 32bit 版で動作していた為、本領発揮はソフトウエアの64bit化を待ってからというもので、ハードへの先行投資とも言える「待ち」覚悟で購入したものでした。(勿論、32bit 処理でも、当時のMAC最速でしたが)

そして、ようやく最新の OS、Snow Leopard が 64bit OS へと進化した時には、なんと、その間に Apple の CPU ラインナップは Power PC から Intel CPUへと切り替えられてしまったため、Snow Leopard は、Intel CPU 専用設計となってしまっていたのでした。

G5 は、ずっと待望していた 64bit OS へは、結局更新も出来ないまま切り捨てられた不遇の PC となってしまったのです。

なーんか、不遇な運命をたどった FreeHand とだぶってしまいますね。
(ちなみに、MAC Pro に搭載されている Intel 製 CPU Xeon よりも Power PC G5 の方が、より高性能であると言われていた(当時)のもだぶります..。)

最終モデルから5年が経過した現在、Power Mac G5 は、もはや速い PC ではありません。 FLASH はもたもたするし、動画のコーデックなどは、入門用の Windows PC の方が速いほどです。


それでも、同期の FreeHand MX とのコンビでは、今のレベルで言っても最強・最速のグラフィックマシンです!
最新 OS でネイティブ動作する Illustrator(MAC mini 上での話ですけど)より、G5 + FreeHand の方が、圧倒的に速くて実用的なのは、今回レポートの通りです。

懐古趣味で G5 や FreeHand に固執してるんではありませんよ! 最強コンビのグラフィックマシンは、本当に まだまだ健在なのです。



G5_FreeHand.jpg


もしも、もしも、FreeHand が復活するようなことがあれば、その時は喜んで最新の MAC Pro にバトンを渡してくれることでしょう。
それまでは、ずっと G5 には現役で頑張ってもらうつもりです。



ちなみに、Xbenchスコアは以下の通りです。(過日計測)
ネットで調べると MAC Pro で180〜250〜?、手持ちの MAC mini で120前後(OSX 10.6.8だと110前後に落ちます)なので、G5 の150は、まだまだ現役で行ける数字ですね。SSDに換装すれば、200前後にまで速くなりそうなので、512GBクラスが安くなるのを待ちますか。

   Xbench_G5.jpg

追記:201108
勿論 G5には、まだまだ現役で頑張ってもらう訳だけど、これから先、5年10年を見据えた場合、FreeHand が動く最後の MAC Pro を買っておかないと後悔することになるのではないか、、、という脅迫観念に苛まれ、結局買っちゃいました。Rosetta 対応版 モデルチェンジ直前の MAC Pro。
果たして、MAC Pro は、 G5よりも速く FreeHand を動かせるのか?... は、MAC遍歴【その8】にて。



→久方ぶりに更新しました。FreeHand 緊急番外編です。20111011




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