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あっぱれ! FreeHand <複数ページPDFの読込み> [FreeHandで行こう!]

FreeHandで行こう!(番外編)その44 <あっぱれ! FreeHand> です。

このシリーズでは、FreeHand の優位性を紹介しています。
FreeHand の情報を求めている方や、Illustrator ユーザーの方にも、お役に立てれば幸いです。

今回からは 番外編です。ざっくばらんにお話を進めて行きたいと思います。
初めてお越しの方は、総集編か カテゴリーTOPからご覧になられるのをお薦めします。

       → FreeHand _総集編はこちら    → FreeHand _カテゴリーTOPはこちら

画像が表示されない等、表示がおかしい場合はこちらから再読み込みして下さい。

また、巻末に FreeHand に関する【緊急情報】があります。是非ご一読ください。


***

下の画像、何だか解りますか?

PDF_FreeHand.jpg

A4サイズ 201ページのPDFファイル(Apple Keynote のユーザーマニュアル)を、FreeHand MX で開いた図です。(使用マシン:Power Macintosh G5 QuadCore 2.5GHz OS10.4.11 RAM_4.5GB)

■PDFから FreeHand への読み込み(変換)に要した時間:38秒
■201ページ全体表示の再描画所要時間:約2秒
■1ページ目から、201ページ目まで順番にページ繰り表示するのに要する時間:30秒以内
 (キーボードショートカットで、1ページずつめくりました。これ以上速く指を動かすことは出来ません!)
ちなみに、ネイティブリーダーである Acrobat 6 での所要時間は1分20秒でした。(→キー押しっぱなしで)


なんとも、あっぱれ! な結果だと思いませんか !?


■まず、複数ページのPDFを、全ページ一気に読み込めるのが あっぱれ!(1)
■200ページものページ編集が、全くストレス無しに可能なところが あっぱれ!
 (もちろん、ネイティブファイルではないので100%レイアウトを維持している訳ではないですが、
  TEXTのまま開いてくれるため、十分再編集できるのです。画像や図版もそのまま使用できます。)
 (1:巻末に、読み込み方法を解説します)


これは、FreeHand の実力の、ほんの一端です。
当ブログシリーズ「 FreeHand で行こう!」では、FreeHand の優位性を訴えてきました。
公正にご覧頂ける方には、どのバックナンバーをご覧頂いても、FreeHand の実力を再認識いただけると思うのですが、どうしても先入観で Illustrator の方が出来が良いに決まっている と理解しようともせず頭ごなしにFreeHand を否定なさる吾人も まだまだ多くおられますので、今回はこのような例を引き合いに出してみました。 どうです? Illustrator では 逆立ちしても出来ないでしょう?

ちなみに、Illustrator は、CS4 になって FreeHand 仕様のマルチページドキュメントに対応しましたが、たいして使えたものではありませんし、PDFの読み込みに関しても、ページを指定して、1ページだけしか読み込めません。
たいして使えない理由:動作速度が遅すぎる、保存に時間がかかりすぎる、マスターページ機能も無い等)


追記:MAC Pro で、Illustrator CS4 と速度比較をしてみました。→こちら。
Snow Leopard なので、Illustrator CS4はネイティブ環境、FreeHand はロゼッタ(エミュレーション環境)です。さて、結果は???

追記:ついにと言うか、ようやく、Illustrator CC(2018年3月アップデート Ver22.1)で複数ページPDFの一括インポートが実現したようです! 何年かかっとんねやっ(**)



もちろん、上述のような、複数ページのPDFを読み込ませてそのまま再編集するなんて言う仕事はありませんが、かように、FreeHand のマルチページは、所要時間を見ても解る通り、本物の使える機能なのだと言うことです。

実際このマルチページ機能は、本来の使い方である ページ物のDTP制作以外にも、FLASH アニメーションのタイムライン・キーフレームとして使用できたり、リンクページに設定したりと、様々な使い方が出来るのです。(※実践方法は次回以降解説します)
だから、上述のような複数ページ PDF 読み込み機能は、ほんの一例です。お客様から頂くことの多い PowerPoint(たいてい複数ページ物)の全ページを一気に取り込むなどの際に、手軽に利用している応用技の一つです。(※実践方法は次回以降解説します)


日本国内では FreeHand を 実務の DTP で使用しているプロデザイナーは少ないと言われますが、私は、何十ページ物のカタログ制作であっても、Quark や InDesign を使わずに、 FreeHand だけで完結しています。
トラブルも無いし、何より、仕事が速い!

FreeHand は DTP では使い物にならない、そもそもそのように作られていない等という誤った認識の書き込みを見ることがありますが、全くのデタラメです。
FreeHand の開発元であった ALTSYS は、 PostScript や ACROBAT を業界標準仕様として普及させる際、 ADOBE とともに仕様策定に参画した正式メンバーであり、FreeHand は、ネイティブの PostScript アプリケーションです。更に言えば、PostScript の処理に関しても、Illustrator よりも高度な設定が可能な仕様が与えられています。(直接ポストスクリプトコードを記述することすら可能です)

たまたま、日本国内では、モリサワや Too.、キャノン販売と組んだ ADOBE がインフラを牛耳ったため、FreeHand を受け付けない出力センターが増えてしまったという経緯があります。
しかし、.eps は、業界標準の汎用ファイルであるため、(一部、Illustrator 形式と勘違いしている人がいますが)FreeHand の書き出す.eps で、DTP出力に何ら問題がある訳ではありません。
詳しくは DTP編をご覧下さい。



つい先般も、24ページ物のパンフレットを FreeHand で仕上げたところです。
その際、Illustrator CS4 にも読み込ませて色々比較してみましたが、ますます FreeHand の優位性を実感しました。
まず、Illustrator CS4 では、24ページものの フルDTP は現実的ではありません。(最新の Intel MACなら少しはマシかもしれないですけど...)
ファイルを開くのにも、保存するのにも分単位の待ち時間を要します。FreeHand なら10秒程のことなのに。一体この差はなんなんでしょう??(PDF互換保存キャンセルの設定で。互換保存すると更に時間がかかります。)
あまりに時間がかかるので、他のことをしようとブラウザを立ち上げたら、CS4は昇天してしまいました...。


結局、Illustrator で DTP する限りは、ページ単位かパーツ単位で制作したものを、Quark か InDesign と連携しながら編集作業するという従来通りの方法しか現実的では無いと再認識した次第です。
同様のことは、DTP Transit というサイトにも書かれているのを見つけました。
Illustrator 用のガイド本を書いている方のレポートのようなのですが、そのような達人を持ってしても、CS4のマルチページはいただけないということのようです。
  FreeHand を使わせてあげたいなぁ。きっとびっくりするだろうに。残念やなぁ。

まぁ、それはさておき、当番外編では 今まで書いてこなかった FreeHand を使った実践での裏技テクニック等を紹介してみたいと考えています。



まず今回は、冒頭で紹介した複数ページPDFの 一気読み込み方法についてです。

もともと FreeHand は、なんなく複数ページのPDFを読み込めました。下の画像は FreeHand 8 で、当時WEBで配信されていた SONY VAIO の PDFカタログを読み込ませてみたものです。(1998年版)
(よく当時の PDFが残っていたものです。ていうか、FreeHand セミナーというのを良くやっていたので、そのネタに使っていたものです。)

PDF_VAIO.jpg

A4 16ページものの、VAIO オフィシャルパンフレットです。
画像が小さくて見えにくいと思いますが、ほぼ完璧に開くことが出来ました。
冒頭のPDFは マニュアルなので TEXT中心(恐らく文字量は10万文字以上。もちろん画像も豊富)ですが、こちらは商品パンフレットなので、画像がメインです。(もちろん、スペック一覧などもあり、文字もてんこ盛り)

SONY で制作されたDTPデータが、ほぼそのまま印刷可能なレベルで再現できるんですから恐れ入りますね。
PDFの仕様上、TEXTは1行ずつに分断されていますが、レイアウトは維持しています。
少し手直しをするだけで、本当に印刷出稿できる程の精度です。
当時のPDFバージョンは、1.2。 Acrobat 3 の時代の話でした。

 追記:20100528
 このパンフレットを e-Book に変換してみました。iPad の電子書籍風に操作出来ます。→こちらで


しかし、その後の PDFは、圧縮の仕様が変更され、FreeHand はアドビに買収されて以降、開発が止められたままになってしまったため、新しい PDFバージョンに対応できなくなり、たとえ1ページのPDFであっても開くことが出来なくなってしまっていたのでした。( FreeHandでほぼ確実に開けるPDFバージョンは、1.4までです。)


ですから、冒頭にあるような PDF(Apple Keynote のマニュアルは最新のものです)は、開けなくなったと諦めていたのですが、なんでも工夫してみれば何とかなるものですね。
ここからが FreeHand で、新しいバージョンの PDFを開くための裏技の話になります。



新しいバージョンの PDF が開けないのなら、旧いバージョンのPDFに変換してから開けば良い。のです。

冒頭の PDFの開き方は以下の通りです。(環境は MAC OSX 10.4.11)
1. FreeHand MX と同じ時代の Acrobat を用意します。(私は ver.6 を使用しました。)
2. Acrobat で、全ページを1ファイルの PSファイルに書き出します。
3. その PSファイルから、Distiller を使用して、バージョン1.3あたりのPDFを作成します。
 (その際、フォントは埋め込まない、カラーマネジメントは行わないように設定する。)
そうして作成された PDF は、FreeHand で開けるようになるのです !!
 (必ずしも保証するものではありませんが。 細かな設定項目がありますから色々試してみて下さい。)
 (訂正:当初の書き込みで、PSファイルとすべきところを、EPSと表記していました。訂正しました。)

今まで開けなかった多くのPDFが、かなりの確率で開くようになります。


追記:
さらに簡単で、確度の高い方法を見つけましたので公開します。
MACでの話になりますが、Preview で別名保存するだけで、かなりの確率で新しいバージョンのPDFが開けるようになります。恐らく、Preview の PDF保存バージョンが旧いままになっているものと思われます。
また、Windows では、Auto CAD などから書き出した PDFもそのまま問題無く開けることが多いようです。



FreeHand の最終バージョン(Ver.11)がリリースされて、すでに丸7年が経過しました。
FreeHand を買収し、その開発を強制終了させた ADOBE社は、その後、自社の看板製品であるに Illustrator に FreeHand の多くの機能を移植しましたが、未だに FreeHand に追いついていないのが現状だと思います。
今回紹介したPDFの読み込み、マルチページの機能差などはほんの一部分にすぎません。

当ブログ【 FreeHand で行こう!(番外編)】<あっぱれ! FreeHand>では、まだまだ使える FreeHand の実践裏技などを紹介しつつ、Illustrator にはマネの出来ない、 FreeHand の実力をアピールしていきたいと考えています。
FreeHand に興味のある方限定情報です。お付き合いください。

追記:
FreeHand と Illustrator の機能差を、歴代バージョンごとに比較しました。是非ご確認下さい。




◆◆◆ 緊急情報! ◆◆◆

開発が停止されて丸7年、普通のソフトなら、とっくに忘れ去られてしまう年月が流れた訳ですが、どっこい、FreeHand は並のソフトではありません。今なお、最新版である Illustrator CS4 よりも遥かに進んでいると断言できる史上最強のグラフィックソフトです。

現在、FreeHand の版権は、買収会社である ADOBE 社が保有していますが、その先進機能を Illustrator に移植することに躍起になっており、FreeHand は塩漬け状態にされています。そして世界中の FreeHand ユーザーの声を無視して完全に抹殺しようとしています。

なるほど、自社の看板ソフトである Illustrator よりも優れたソフトを、ようやく2度の買収を経て手に入れた訳ですから、たとえ世界中がなんと言おうとも、再び世に出す訳には行かないのでしょう。

しかし、そうなれば、強硬手段しかありませんね。

1度目に買収された時も裁判に訴え、FreeHand の開発者が勝訴。ADOBE から版権を取り戻したという経緯がありました。(勝訴した ALTSYS は、Macromind社 と合併し、FreeHand は Macromedia ブランドに)

そして今回は、ユーザーグループが立ち上がります!!


私も含め、世界中に FreeHand の復活を待望している同士がいます。

昨年末、ADOBE から FreeHand の版権を取り戻すべく、ユーザーグループが立ち上がりました。
FreeHand ユーザーはもちろんのこと、興味ある方も、是非今後の推移に注目して下さい。

Free FreeHand.org
pr-logo-400pix.gif

上のリンクから、国際的な FreeHand ユーザーグループのサイトにリンクします。
ADOBE から FreeHand を取り戻す戦いが、いよいよ始まります。
まずは署名と寄付で、日本からもどんどんアピールしましょう!!


Free FreeHand.org サイトより抜粋
Corporations that buy and bury the products of others, just because they are unable to produce a better product, do harm to our society. Not only do they act unethically, they also obstruct progress in this country — all in the name of corporate profits!

翻訳(momo様の翻訳を使用させていただきました)
他社の製品を凌ぐものを生み出すことができないからといって、企業がその製品を買収し、埋もれさせることはわれわれの社会に害悪をなす行為にほかならない。その行為は非倫理的であるだけでなく、企業の利益という大義名分のもとにこの国の進歩を妨害する行為である。


翻訳を使わせていただきました momo様も、FreeHand ユーザーです。
当ブログでは、少し執拗な書き方をしているところがありますが、momo様のページでは、実にきめ細やかに、Illustrator ユーザーにも配慮しつつ、FreeHand の素晴らしさが語られています。
日々のブログもとても素敵なページです。ご案内致します。 →それゆけ!FreeHanders!
→ 他にも、沢山翻訳していただいています。感謝! これは読せていただかないと!


momo様、Free FreeHand 翻訳ありがとうございます。新年早々にご連絡をいただいておきながら、年度末の仕事が集中していたため、ずいぶん遅くなってしまいました。 FreeHand は、きっと復活しますよね!



いろいろ書きましたが、ユーザーグループが望んでいるのは、大それたことではありません。
FreeHand をずっと使い続けたい、それだけです。

そのためにしなければならないことは、進化するOSや新仕様に対応させていくために、アップデートを継続すること。
やり残した仕事、いくつかあるバグを修正すること。

たった、それだけでいいんです。

FreeHand の基本的な機能は、既に完成しています。
高機能の数々を見ても、最新の Illustrator CS4 と比べて、まだまだ FreeHand の方が進んでいるくらいなのですから、特段今すぐ追加してほしい機能がある訳でもありません。

多くのユーザーの、たったそれだけの望みを、ADOBE が自分の都合で拒否し続けることは、もうやめていただきたい、ただそれだけなのです。
 



→ あっぱれ! FreeHand その2はこちら。 複数ページ PowerPoint の一気読み込み方法を解説しています。




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