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我流オーディオ独り言-2 <NSスピーカーのお話-2> [我流オーディオ独り言]

前回に続いて、我流オーディオ独り言 - その2 <NSスピーカーのお話-2>です。
NSスピーカーの魅力を、もう少しお話ししたいと思います。
同スピーカーの導入を検討されている方の参考にでもなれば幸いです。

JA-5101.jpg
尼崎オフィスのNSスピーカー。(機器類は下段に紹介しています。)

ピュアオーディオ(2ch)志向ですが、サラウンド7.1chとしてもセッティングしています。
ご覧のように、フロント L・R と センタースピーカーに 巨大 NSユニットを使用し、前後のサラウンド4chには 以前 お気に入りのデザインモノでも紹介した A&Dの無指向性スピーカーを 2セット4本あてがっています。

現状では、センターの NSスピーカー JA-5101は、箱も無い仮置き状態でバランスは良くありませんが、普通サイズのスピーカーでは左右のNSスピーカーに圧倒されますので、取り急ぎ、箱なしでも頑張ってもらっています。せめて平面バッフルだけでも用意したいんですけどもねぇ。スポンジ枕に立てかけています(笑)。箱なしのため重低音は望めませんが、センター定位の中高音の響きが身上です。

前方サラウンドスピーカーは柱の後ろの出窓部分に隠れており、無指向性の特性に加えて、コーナーで音を拡散させているため部屋中に広がり、スピーカーの存在を感じさせない自然なサラウンド効果に寄与しています。 反響音などが特定の場所に定位して聴こえてくるのは不自然ですからね。
リアの2本も、出窓に置いています(部屋の3面が、パノラマの出窓になってますので)。後方用の反響音とはいえ、頭の後ろの方から音が聞こえてくるのはどうも不自然なので、縦長の部屋の中程、リスニングポジションの斜め前方からということになります。
サラウンドスピーカーに対し、NSスピーカーの存在感は圧倒的で、センター定位ボーカルの艶やかさ、左右の奥行き感もしっかり描写してくれ、とても40年前のユニットとは思えない音を響かせてくれます。

ちなみに、左のミニコンポは BGM用で、パソコンから iTunes の JAZZ Radio を流すのに使用しています。
真ん中のモニタは、パソコン用 26inch wideです。


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さて、その NSスピーカーの音です。

昔の大型蓄音機や、大型のオルゴール機が持っていた木質系の自然で豊な響きを感じますねというメールをいただきました。そうなんです。やはり、小さなスピーカーには出せない、大きな物体が響かせる音 共通の豊かさがありますね。
(80年ほど前に作られた大型蓄音機(SP盤)の音を聴かせていただきに行ってきました。
 旧いものを、みくびってはいけません。驚く音です。また近いうちに紹介したいと思います。)

SP_Player.jpg  YAMAHA_NS_JA-3501.jpg
■80年前の HMV(ヒズマスターズヴォイス社:英国製)SPプレーヤ と、40年前のNSスピーカー。
共通点を感じていただければと思い並べてみました。見てるだけでスケールの大きな 豊かな音を感じませんか?



NS スピーカーの大きな振動板は、楽器そのものと前回書きましたが、スピーカーとしてだけ見ても、なかなか良く考えられているんですよ。下の図をご覧ください。

Wave_Corn.jpg
上は、前面バッフルに取り付けられた一般的なスピーカーの断面図で、前後のピストン運動を示しています。
下は、ボックスに取り付けた状態の音の広がりを波動のイメージで描いてみたもので、コーン紙のピストン運動の前後の状態のものを重ね合わせてあります。
エンクロージャーの横に音が回り込む回折現象も見て取れます。ラウンドバッフルの必要性もよく解りますね。

スピーカーの断面が すり鉢状のため、波動面に若干の乱れ(前室効果)がありますが、さほど気にするものではありません。それより、気になるのはエッジ部分で、振動板の端っこが空気をかき乱している部分です。
最近の小さなスピーカーは、ストロークを大きくとって音圧を稼ぐような設計ですから、ピストン運動が大きくなった時のこの部分での空気の乱れは、無視できないような気がします。
小さなスピーカーで音を大きくするとうるさく感じるのはこのような現象が原因ではないかと想像しています。


下の図では、NSスピーカーを想定して同じものを作成してみました。

Wave_NS.jpg
NS スピーカーには、エッジが無く、大きな振動板が屈曲運動することで音を発します。
そのため、一般的なスピーカーに見られるようなエッジ部分での空気の乱れは起こらず、自然な空気振動が期待できます。
NSスピーカーの音が聴きやすく、疲れにくく、また 大きな音を出してもうるさく感じないのは、このあたりの振動メカニズムが寄与していると考えられるのではないでしょうか。


このような振動メカニズムによる波形の違いは、解りやすい例としては風呂の湯をかき混ぜる場合などに、そのまま 現れる波の形に見ることができます。
yumomi_uta.jpg
いきなりですが、草津温泉の「湯もみ」です。さしずめ、5.1chと言ったところですね (笑)。
エッジ部分で乱れるというのは、湯もみの板を動かしたときに、板の端が波立つ現象のことです。激しく動かせば、波しぶきもあがるでしょう。
少なくとも、NSスピーカーなら、板の面積はこれよりも遥かに大きく、波を立てないようにしなやかに屈曲して 湯もみ出来るということですね。 (あれ? かえって解りにくかったですか??)



それでは、尼崎オフィスのオーディオ機器をご紹介しましょう。
NSスピーカー程ではないにしろ、旧い機器ばかりになります。
AudioRack.jpg

オーディオラックの上から、
Technics SH-4080    オーディオパワーセレクタ。プレーヤなどの電源を一元管理。
Technics SH-8030    アンビエンスコントローラ SH-3060 の上位機種。
Pioneer PD-F1007    301枚の CDをファイルし、即座に演奏できます。
Aurex AD-2    ADRES ユニット。テープデッキのダイナミックレンジ拡張。
A&D GX-Z7000    名門アカイのカセットデッキです。
Pioneer RT-707    オープンリールにしては、コンパクト & スマート。
NEC AVD-900PRO    デジタルディレイですが、現在は使用していません。
SONY TA-E1000ESD    サラウンドプリアンプですが、現在は入力セレクタです。
SONY EDV-9000    アナログビデオでは最高画質のEDベータ機です。

あと、フロントスピーカーの近くに、7.1ch サラウンドアンプ YAMAHA AVX-2200DSP があります。
AVX-2200DSP.jpg
以前は、ピュアオーディオ用に、A級ストレートDCアンプ Technics SU-V6 を使用していました。
SU-V6 は、現在梅田オフィスで NS-250 をドライブしています。


SH-4080 は、周辺機器の電源管理に便利なため、パソコン用途にも役立ちますよ。私は3台所有してフル活用しています。
SH-8030 は、アンビエンスコントローラで、ピュアオーディオ用途のサラウンドコントローラーです。5.1chの、これ見よがしなエフェクトサラウンドではなく、極わずかな違いを実感させてくれる自然なエフェクターです。特に音質面への悪影響もなく、音場に自然な広がり感が得られるため、常時使用しています。
TA-E1000ESD は、よく出来たサラウンドプリアンプですが、現在は入力セレクタとして使用しています。たまには、デジタルディレイを強調して、JAZZ ラウンジにいるような雰囲気も楽しんでいます。旧いアンプですが、デジタル入力が4系統あり、2chソースをメインに聴く分には、まだまだ当分使えそうです。
AVX-2200DSP は、TA-E1000ESD に比べると、よりピュアなサウンドに感じられ、7.1chデコードは YAMAHA に任せています。SONY製品は、他にTA-AV850D というのもありますが、センタースピーカーの扱いも含め YAMAHA とは音作りの傾向が違うようです。若干効果が強調され気味な感じ? もちろん豊富なパラメータで調整出来るようにはなっていますが、ダンピングファクターも違うんでしょうか、NSスピーカーとの相性は AVX-2200DSP の方が良いように感じます。

***

現状 センタースピーカーが 仮設置なように、まだまだセッティング途上ですから、これからもまだまだ変わっていきます。
NS スピーカーも、ユニットを入手したままエンクロージャー制作待ちのもの(JA-6001や、JA-5002 など)もありますし、前回紹介した NS-18 も、ピュアオーディオ用にチェンジしてやりたいとも考えてますし...。

NSスピーカーの組み合わせだけでも、尽きませんねぇ。そうすれば、NSユニットの微妙な違いも、より詳しく書けると思います。ますますニッチにハマっていきそうです。
また 追って報告したいと思います。
ご興味ある方、おつきあいください。


→我流オーディオ独り言 - その3 <NSスピーカー三昧> アップしました。

→我流オーディオ独り言 - その1 <NSスピーカーのお話> はこちら。




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