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FreeHand _総集編 [FreeHandで行こう!]

FreeHandで行こう!】その16(総集編)です。
        → FreeHand _INDEX(目次)はこちら
        →画像が表示されない等、表示がおかしい場合はこちらから再読み込みして下さい。

今回は、フリーハンド連載の一区切りとして、総集編をまとめてみました。
FreeHand の情報を求めている方や、Illustrator ユーザーの方にも、お役に立てれば幸いです。

Spark.jpg
■今回のは、作例という感じではありませんね ^_^;)  派手派手タイトルを作ってみました。
ブレンド機能です。透明度の設定は行っていません。透明に見える部分もブレンドだけで作成しています。
皆さんも、制限時間5分でチャレンジしてみて下さい。

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とりわけ日本国内では少数派で、しかも ADOBE に2度も買収され、抹殺されるという運命をたどった FreeHand をテーマにして、はたして読んでくれる人がどれだけいるのだろうかと疑心暗鬼で始めた連載ですが、思いのほか多くのアクセスを頂き、正直驚いています。

FreeHand の情報を求めている方だけでなく、Illustrator ユーザーの困った時の検索にもよく引っかかるようです。
Illustrator ではこうだが、FreeHand ではこうですよ... という書き方のためですが、Illustrator には対応できないようなことが、FreeHand で簡単に出来てしまうということに、多少なりとも驚かれ、関心を持たれるようです。
(Illustrator ユーザーには、懐刀として、FreeHand の併用をお薦めしています)

過去15回の連載の中で、何度も繰り返し説明してきた機能もあれば、ほんの1行しか紹介しなかった機能、さらには紹介出来ていない機能等、いろいろあるのですが、ここでちょっと一区切り、追加情報も含めて総集編をまとめてみます。
過去ログを全て読んで頂くには相当な時間と忍耐が必要ですので、この総集編で FreeHand の概要を再確認して頂ければ幸いです。改めて強調したい部分、是非知っておいて頂きたい部分を再編集してみたいと思います。


■FreeHand と Illustrator の「差」について(概論)

まずは、概論から。 ベースとなったドローソフトの歴史では、FreeHand の方が旧いようですが、PostScript アプリケーションとしては、ほぼ同時期に開発されたライバル関係のソフトとして知られます。
FreeHand の価格は Illustrator の半値程度でしたから、FreeHand は 低価格=低機能 というイメージを持たれがちですが、価格差に見られるような一方的な機能の差はありません。(当然一長一短はあります。逆に、FreeHand の方が、どう見ても高性能です:本文をじっくりご覧ください)
実際、アメリカ本国での価格はどちらも300ドル台でしたから、日本に於ける Illustrator の価格設定が高すぎるのではないでしょうか。間違っても、Illustrator と比べて安物ソフトとは思わないで下さいね。コストパフォーマンスの高いソフトとご理解下さいませ ^_^)
 ※ADOBE独占になってからは、Illustratorは 500ドル台で高値安定のようです。いずれにせよ日本語版は高いですね。

FreeHand と Illustrator は、ツールに見られる開発コンセプトが大きく違い、両者の性格を決定付けています。
Illustrator では、それぞれの操作に対して、それぞれツールを分け、明確に役割分担を持たせるという設計です。ポインタやペンツール、文字ツールなどに顕著にその傾向が見られます。ポイントを追加するときはこのツールに持ち替えて、削除するときはこのツール、切り替えるときはこのツール.... といった具合ですね。これら仕様は、例えばツールの説明をする時などには、説明しやすく解りやすいというメリットがあるのでしょう。

一方、FreeHand は、できるだけ一つのツールに統合させようという意志がはっきり見てとれます。
MXバージョンこそ、多数派の Illustratorユーザーに配慮してポインタは2つ(ダイレクト選択ツールが用意されました)になりましたが、本来、ポインタは一つで全ての操作が出来るように設計されています。
ペンツール、文字ツールも同様です。ほとんど持ち替える必要なく、様々な操作が行えるようになっています。但し、左手ショートカットの習得が必須ですが。
FreeHand のツール仕様は、使い慣れれば持ち替えの手間が無い分、たいへん便利なのですが、新しいユーザーにツールの説明をする時などには、解りにくいと感じられるのかもしれません。

ツールの使い方を明確に分けた Illustrator の戦略は、WINDOWS のスタートメニューやマイコンピュータの存在、2ボタンマウスの仕様に通じるところがありますね。まず、左脳にインプットしてから使わせるという感じ。
対して、FreeHand は、ワンボタンマウスが標準の MAC よろしく、一つのツールを使いこなさせる、使いながら右脳で操作させるタイプでしょうか。結局、広く一般には、前者の方が普及するのだということを私はようやく理解した次第です。
FreeHand と Illustrator の差は、上記のように MAC と WINDOWS の差に似ているのでは、、と言うことで引用してみました。(使い勝手についても、シェア差についてもですね)

WINDOWS に慣れたユーザーが、その使い方を MAC に求めても思うように使えないのと同様に、Illustrator の流儀で FreeHand を使ってもうまく使えないのは当然です。ネットの書き込みで、Illustrator 流に FreeHand を使ってみて、使いにくいとか、出来が悪いと書かれているのを見るにつけ、悲しくなるやら残念やら... あなたの知らない文化が、そこにはあるんですよ。 どうぞ、偏見や堅い頭は取っ払って、新しい友人に接するつもりで付き合ってみて下さい。あなたにとって かけがえのない友人になるかもしれませんから。

随分、前振りが長くなってしまいました。それでは、FreeHand 総集編に入ります。


■ツール関連

ザクッと、ツールの使い勝手、Illustrator との違いについて書いてみましょう。

・ドラッグによる選択: →使い方-1参照
Illustrator は、パス、またはポイントに触れることで なんでも選択してしまいますが、FreeHand は、パスに触れただけでは選択しません。むき出しのポイントはドラッグで選択出来ますが、グループ化するとグループ全体を囲うまでは選択しなくなります。
これは、FreeHand が不感症な訳ではなく、不用意な選択を防止するために考えられた素晴らしい仕様なのです。
意図しないものを不用意に選択させなくするために、これらの仕様を使い分けます。四角や円を描いた場合も、それらは、グループ解除(この場合は属性解除ですが)するまでは部分的に触れただけでは選択されないため、選択操作の使い分けが出来るのです。
ドラッグによる選択操作の使い分けという概念は、Illustrator には無い考え方です。Illustrator の概念では、グループ化の意図は一括選択だけですが、FreeHand では、選択仕様の使い分けという意志が加わります。不用意に意図しないものを選択させないための機能として、非常に有効な基本仕様なのです。

(ネットの書き込みに、FreeHand の円や四角は、グループ解除しなければポイント操作すら出来ないという仕様は、不合理で意味が分からん、開発者の頭が整理出来ていないのではないかというのがありましたが、以上の説明でお解りいただけたでしょうか? Illustrator には概念すら無い「選択の使い分け」という意味が理解出来れば、開発者の意図がお解りになると思います。さらに、円や四角の属性を維持することによるメリットも、Illustrator には無い概念です:下記 円ツール... 参照してください。ムービーを見て頂ければ、言ってる意味がわかると思います)

ちなみに、ダイレクト選択をする場合は、いちいちツールを持ち替えずに、optionキー(MACの場合)を併用します。選択後は、通常のポインタで操作出来ます。ショートカットのスーパーセレクトを併用して、ダイレクトグループ選択もツールを持ち替えずに出来ます。

・重なりオブジェクトの選択: →使い方-1参照
Illustrator では、重なったものの下のものを選択するのが面倒です。上のオブジェクトをロックする、サブレイヤーパレットを利用する、コンテクストメニューを利用する等がありますが、いずれも自由自在と言える操作法ではありません。
FreeHand では、controlキー(MACの場合)を併用することで、クリックの度に素早く下のものを探っていくことが出来ます。グループ内オブジェクトの場合も、optionキー(MACの場合)を併用するだけで同じことが出来ます。shiftキーも併用可能。
どんなに複雑に重なっていても、グループが何重にネストされていても、自由自在に狙い撃ちの選択操作が出来るのが FreeHand です。初期バージョンからの最も FreeHand らしい、完成された基本仕様です。

・円ツール・四角ツール・多角形ツール: →使い方-3参照
先に書いたように、FreeHand では、選択の仕様を使い分けることが出来、円ツール・四角ツール・多角形ツールは、その属性を解除するまではグループと同じ扱いの選択仕様になります。不用意に選択されにくく、位置や形状を維持しやすく扱えます。さらには、扇形変形、個別の角アール指定、多角形の形状変更や、いつでも shift 操作により正円・正方形に戻せるなど、形状属性を維持するメリットを享受することが出来ます。(Illustratorには形状属性は無く、単なるポイントの集合体です。FreeHand で属性を解除すれば Illustrator 風になりますが、このメリットを やすやす解除するのはもったいない!)

このような仕様を見ると、開発者の意図が見えてきませんか? Illustrator では、ポイントやパスを直接操作することが常に優先されますが、FreeHand では、オブジェクト単位やグループ単位の選択や操作性を優先させることも出来るように配慮されているのです。うまく使い分けることで、そのありがたみが解るようになるでしょう。



・グラデーション塗り: →使い方-2参照
FreeHand のグラデーション塗りは多彩で、設定も簡単、変更も柔軟です。
Nuri.jpg
ちなみに、ドラッグドロップでカラーを設定する際、optionキーを押しながらドロップすれば放射状グラデーションに、controlキーなら線形グラデーションに、shiftならベタ塗り、commandキーは、面ではなく線に対して塗りが適用されます。(キーボードはMACの場合)



・レンズ塗り: →使い方-2参照
lenz.jpg
Illustrator には無いレンズ塗り。右上の例では、中心点を移動させ「拡大参照を塗りとして適用」しています。もちろん、参照元の変更はリアルタイムに反映されます。(スナップショット化も可能です)



・テキストツール →使い方-6参照  →付録-3参照
FreeHand のテキストは、自動拡張・固定とも BOX仕様で、操作性は統一されており、いつでも切替え出来ます。ジャスティファイでは、しきい値を設定出来るなど柔軟に対応出来ます。TEXTリンクは、ページをまたいで可能で、テキストエディタでの編集も可能です。数万文字というTEXTでも、サクサク動きます。Quark や InDesign の必要性を感じさせません。
Text.gif



・テキストインライングラフィック機能 →使い方-6参照
テキストボックスの中に、オブジェクトをペースト出来、テキストと同様に制御出来ます。Illustrator には無い機能ですが、ロゴや作字挿入の多い DTP 作業にはたいへん有効な機能です。

InLine.jpg



■パレット関連

・整列パレット: →使い方-4参照
ユニークで使い易く、解りやすい整列パレット。ロックオブジェクトに対して整列させれば意図する場所への位置合わせも出来ます。オブジェクトだけでなく、ポイントの整列にも使用します。
Paletto.jpg


・グラフィックの検索・置換パレット →使い方-7参照  →Tips編-5参照
細かなパラメータの設定が出来る、グラフィック検索置換パレット。選択オブジェクトの中から特定のものを選択解除することも出来ます。
Kensaku.jpg


・リンクパレット →使い方-5参照
Illustrator では、埋め込んでしまった画像は取り出せなくなりますが、FreeHand では、PSDファイルなども、そのままの状態で埋め込み・取り出しがいつでも可能です。
もちろん、埋め込んだ状態でも、外部アプリケーションで修正・反映させることも自在です。
Link.jpg


・ナビゲーションパレット →使い方-FLASH参照
SWF書き出し時に、簡単に ActionScriptを記述出来るナビゲーションパレット。HTMLのページ間リンク、ハイパーリンク、mailto、JavaScript の変数記述なども、このパレットで行います。
navi.jpg


■様々な機能(抜粋・順不同)

・内部にペースト: →使い方-4参照
Illustrator では なかなか大変な何重にも重なった複雑なマスクが、簡単に作成出来ます。(6重の作例で、所要10秒程度)
上下の入替えや、出し入れ、修正変更も瞬時に出来ます。
MASK.gif


・複合パス →使い方-4参照
Illustrator では作成出来ない、複数重なったオブジェクトの複合パスが作成出来ます。複合パス内の複数オブジェクトは簡単にダイレクト選択出来、移動・修正が出来ます。
JointPath.jpg
訂正とお詫び: 上記、Illustrator の複合パスに関する問題は、新しいバージョンの Illustrator では回避策が用意されていました。確認した限りでは、Ver.10以降、複合パスに対し「奇偶規則を適用」すれば、FreeHand 同様の正確な複合パスが作成できるように改善されていました(Ver.9は未確認・Ver.8以前にはその機能はありません)認識不足であった事をお詫びします。 それにしても、デフォルトの複合パスは上記のままです。
Illustrator は、バージョン毎に頻繁に仕様変更する割りには、複合パスのデフォルトはそのままにして回避策だけこっそり用意し、アナウンスもしないのはなぜなんでしょうね。今まで気が付きませんでした。
さらに言えば、InDesign で作成する複合パスは、Illustrator とは違った表示になります。正常表示でもありません。Illustrator の複合パスをInDesign に割り付けると一部トラブルの元になる事が報告されていますので、この辺りの仕様差かもしれません。ご注意を。ちなみに、3者の差は以下のようになります。 Joint_Path_2.jpg
追記:Illustrator が、奇遇規則をデフォルトにしないのは、他に問題を抱えているからのようです。例えば、ナイフでうまく切れないとか、操作しているうちに破綻するとか....複数の要件に対して、まだ技術的にクリアできていないようですね。FreeHand と同様に..とまではいかないようです。


・ロックの個別解除 →使い方-4参照
Illustrator のロック解除は一括解除のため、ロックを維持しておきたいものまで解除されてしまいますが、FreeHand のロックは個別に設定・解除出来ます。また、ロックオブジェクトは動かないだけで選択は出来るため、整列操作時には、動かない基準として選択し利用出来ます。


・画像の配置 →使い方-5参照
Illustratorで「配置」を行う場合、ダイヤログで選択できるファイルは1ファイルのみで、ページのセンターに配置されますが、FreeHandでは 複数ファイルが選択でき、それぞれ任意の場所に配置できます。
Picture.jpg
だから、配置コマンドを1回実行するだけで、画像を上記のように並べて読み込みさせることが出来ます。
1ページに多枚数の画像を配置する時など、嬉しくなる機能ですね。
ちなみに、クリックで位置を指定すると原寸で配置、ドラッグで位置を指定するとサイズを変更しながら配置できます。


・外部アプリケーションとの連携 →使い方-5参照
Illustrator では、リンクが確立されている場合のみ、Photoshop などの外部アプリケーションと連動出来ますが、FreeHand では、画像のファイル形式(.epsを除く)ごとに、アプリケーションを指定して連携が可能です(埋め込み画像にも対応)。例えば、TIFF は Photoshop、PNG は Fireworks と言った具合です。FreeHand 内で画像変換したものは TIFF 扱いになります。
PSD など、アルファを含むレイヤーもそのままの状態で、読込み、埋め込み、修正反映、書き出しが自在に出来ます。
(Illustrator では、リンク状態と埋め込み状態でファイル扱いの条件が変わりますが、FreeHand ではそのような制限はありません。)


・マルチページ・マスターページ機能 →使い方-FLASH編参照
何度も繰り返し説明してきました、Illustrator と比較した際、最も機能的にアドバンテージのあるツール。
ただ複数ページが作成出来るだけでなく、ページ間リンク、アクションスクリプトによる制御など、FreeHand ならではの使い方が出来きます。
ページ物 DTP はもちろん、SWFファイル書き出しによる、フルFLASHサイトの構築から、HTMLサイトの構築など、ワンソースマルチパブリッシングを実践するたいへん有用なツールです。
MINUMA.jpg


・SWFファイルの配置: →使い方-FLASH編参照
JPEG や、TIFF 画像を配置するように、SWFファイルを配置することが出来ます。さらに、SWFに記述されたアクションスクリプトも実行可能なまま、パブリッシュ可能。(配置 SWFバージョンは6推奨)
上記のマルチページ・マスターページと組み合わせ、複雑なスクリプトを実行させる Full FLASH のリッチコンテンツサイトが、FreeHand ベースで作成可能なのです。

*Flashが表示されない場合は別ウインドウでお試しください。

上記は弊社の現役ホームページです。(FLASH を表示しています。動作しない環境の方はご容赦ください。.xml や .rdf 記述でご覧の方は、こちらから再読み込みして下さい。)
  ホームページ刷新しましたので、上記は旧ページ(2006年版)ということになります。
FreeHand のマルチページを活用し、Full FLASH サイトが構築出来る例としてご覧下さい。縮小版ながら、全ての操作が可能ですので色々触ってみて下さい。(実際のホームページはこちら)

追記:20100501
当機能を活用して iPhone・iPod Touch 風 操作可能な FLASHコンテンツを作成してみました。
サンプルファイルも用意しましたので、ダウンロードしての試用も可能です。→こちら




・ドキュメント読み込み時のTEXT置換 →使い方-DTP編参照
Illustrator では、フォント環境が変わると、勝手にフォントを置き換えてしまいますが、FreeHand では、ファイルを開く際にあらかじめ聞いてくれるため、意図したフォントに置き換えることが出来ます。
OS9環境からOSX環境にファイルコンバートする際など、たいへん重宝する機能です。
Font.jpg


など、など、など.... 過去15回で紹介してきた、ホンの一部分しか紹介出来ませんが、かいつまんで総集編としてみました。改めて興味を持って頂けたなら、過去ログもご覧下さいませ。 → FreeHand _INDEX(目次)はこちら

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FreeHandが、Illustrator より遅れている部分は、大きな括りで言えば、グラデーションメッシュ機能が無いことぐらいでしょうか。
逆に、FreeHand の方が進んでいる部分は、マルチページをはじめ、今まで紹介してきた機能の数々、FLASH や Fireworks との連携などです(今後 Illustrator が力を入れていく分野ですね →追記:まさに、CS4ではそのままマルチページが移植されました)。

もはや FreeHand の進化は、開発が止められた今、望むことは出来なくなってしまいましたが、MXバージョンの機能を使いこなすだけでも、まだまだ当分の間、Illustrator のこれから出るであろう最新版よりも、高い生産性、有効な活用が出来るものと確信できます。(それほど、FreeHand のアドバンテージは大きいのです)

私の弟子にあたる何人かのデザイナーも、前職や学校では Illustrator を使っていましたが、FreeHand の方が役に立つと乗り換えてきた実例もありますし、現在でもそういった相談を複数受けています。

もちろん、Illustrator を否定して FreeHand を薦めるものではありません。
今後も、Illustrator の業界標準の座は揺るがないでしょう。 ADOBE が Microsoft にでも買収されない限りは。

それにしても FreeHand は、最新の Illustrator CS3 よりも、はるかに進んでいるといえる部分が数多くあるのは事実なのです。
興味をもたれた方は、乗り換えとまではいわなくとも、両方使えるほどになれれば、きっと驚くほど役立つと見直されることでしょう。

今、私が FreeHand を薦める時には、懐刀(ふところがたな)として使えばよいと言っています。
外部とのファイルのやり取りには、Illustrator が必須です。内部では、FreeHand で気持ちよく制作して下さい。
Illustrator には出来ない機能満載ですから、秘蔵子としてライバルの知らない方法で仕事を進めましょう。
一部の作業を除き、おおむね Illustrator よりも動作が軽く、ファイルも小さく保存でき、ファイル管理も簡単な為、気分よく作業できますよ。

FreeHand のアドバンテージは、そのまま仕事のアドバンテージに繋がります。
Illustrator より、何倍も効率的に、独創的に仕事を進めることのできる可能性を FreeHand は持っているのです。

何年か前の、MacWorld 誌で、FreeHand と Illustrator、Corel Draw、Canvas を科学的に比較するという記事があり(アメリカでの検証記事でした)操作の手順の回数や、マウスの移動距離、ツール持ち替え回数などに得点を設け、科学的に検証・比較した結果、ダントツで FreeHand の生産性が高いと評価されていたのを思い出しました。
MacWorld 誌としては、FreeHand がお薦めであると結論付けた記事です。

上記の記事の片鱗を検索で見つけることが出来ました。

In January, 1997, MacWorld published an extensive analysis of the top four illustration programs for the Mac: Adobe Illustrator 6.0-.1, Macromedia Freehand 5.5, Corel Draw 6, and Deneba's Canvas 5.0.
Freehand was ranked the champ for its "flexibility, efficiency, and creative features".

FreeHand は、ADOBE に買収されていた期間(Ver.4の時代)開発が一時停止していた為、Illustrator よりバージョンが一つ分遅れていますが、評価では全ての項目で圧勝だったと記憶しています。
FreeHand の評価は当時から揺るぎないものです。


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とりあえずの、一区切りとしての総集編は以上です。
また、追加情報などがあれば追記するなり、新シリーズ(その2?)を始めるなりするつもりです。
FreeHand を楽しんで下さい。!

   新シリーズとして付録編を始めました。 →付録編 では、ざっくばらんな情報をご覧いただけます。

   追記:<続>総集編をアップしました!! →続編 も、是非ご覧下さい!


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※文中、キーボードの、コマンド、option、comtrol 表記は、MACのものです。WINの場合は表記が異なりますので推察して下さい。マウスクリックも、2ボタンの場合 操作が変わるようです

私が確認しているバグ報告も行っています。こちらでご確認下さい。 →使い方-HTML編参照


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追記:
FreeHand を、懐刀で...と書いておきながら、Illustrator とのファイルコンバートの方法を書き忘れていましたね。
Illustrator から FreeHand へは、CS3からなら普通にコピーペーストで持ってこれます。CS2は未確認ですが、CS未満のバージョンでは、FreeHand へのコピーペーストは、意図的に出来ないように設定されていたようです。下位バージョンの Illustratorを使用されている方は、AI8形式まで落として保存すれば FreeHand で開くことが出来ます。 ですが、出来れば CS3を使用して下さい。

FreeHand から Illustrator へは、コピースペシャルのEPSを使用すれば Illustrator へペースト出来ますが、あまり再現性はよくありません。FreeHand ドキュメントをEPSで保存すれば、CS以降のIllustrator の場合、かなり良い感じで開くことが出来るようになっています。(フォントを埋め込んであるとアウトライン化され、埋め込んでなければ TEXTのままでコンバート出来ます。TEXTがカーニングされていると細切れ状態になりますので、カーニングをキャンセルしてからIllustrator にコンバート、Illustrator 側で詰めなどを設定し直せば使い易いファイルになるでしょう。)
ただ、グラデーションは、ブレンド状態になるだけでなく、櫛状に隙間が出来る場合もあるため注意が必要です。
あまり精度はよくありませんが、CS3 は FreeHand の生ファイルを開けるようになりましたので、そうして開いた場合はグラデーションが櫛状になることはありません。いろいろなコンバートを組み合わせれば、Illustrator ファイルに持っていくことも出来るかも知れませんが、私の場合、基本的に Illustrator では作っていないと宣言していて、EPSからのコンバートファイルで納得してもらっています。Illustrator でも、バージョンやフォント環境が変われば同じようなものですから、よほどうるさく指定されない限りは大丈夫です。データ出稿は FreeHand EPS で行えばトラブルの出ることはありません。


追記:
2008年11月 ついにと言うか、ようやく、Illustrator CS4FreeHand 仕様のマルチページが採用されました。FreeHand を買収しての、まんま移植ですが、呼び名は「複数のアートボード」。出来るだけ Freehand のマルチページをそのまま持ってきたと言うようには悟られたくないんでしょうが、同じものです。その証拠に、FreeHand のマルチページが、位置関係もそのままに開きましたから。
但し、マスターページやリンク機能など、当記事で紹介している拡張機能には未対応です。まぁ、ようやく同じ土俵にたどり着いたと言うところですね。詳しくはこちらで


追記:
2010年4月、CS5 が発表されました。今回の目玉機能は、FreeHand から移植した 3Dグリッドだそうです。それ以外の機能は、主に従来ツールのブラッシュアップですね。矢印の設定なんかも、FreeHand と同じように線の属性でできるようになっていました。

また、InDesign CS5 の FLASH 作成機能は、FreeHand にかなり近づいて来たような印象です。ただ、やはり.swf ファイル読み込みや、外部ファイルの ActionScript の読み込みはアナウンスされていないので、上記に紹介したような使い方は出来ないものと思われます。どちらかと言えば、PowerPoint に近い感覚で作成できますよというのを強調したいようですね。
他にも、角R四角(角オプション)の操作インターフェースがそのまま移植されていたり、FLASH CS5 にも、円の扇形変形インターフェースなどが移植されていました。

Illustrator CS3 以降の新機能のほとんどは、FreeHand からの移植オンパレードです。より優れた機能を持っていた FreeHand を買収した訳ですから当然のことなのですが、FreeHand がライバルであった時代は、互いに機能を競い合って進化してきたのに、FreeHand 買収後の Illustrator は、FreeHand の機能を吸い上げているだけで、ほとんど進化していないですね。このジャンルの進化が止まってしまったことは業界全体の不幸ですし、目新しさの無いバージョンアップには ほとんど魅力が感じられなくなり、とても残念です。

FreeHand が買収されたときに、これで、グラフィックアプリケーションの進化は鈍くなると言われたものでしたが、全くその通りになってしまいました。 頑張れ、 Free FreeHand.org! FreeHand 復活に向けて!


 ※Free FreeHand.org では、FreeHand 復活に向けて、活動を開始しました。詳しくはこちら


追記:20111024
2011年10月4日にリリースされた、Flash Player 11 には、表示上の重大な欠陥があり、修正もされずに放置されたままになっています。Flash Player 11 の表示上の欠陥により、FreeHand からパブリッシュした .swf は、全て表示できなくなってしまいました。( Flash Player 11 未満では問題なく表示します。)
この件に関しての詳しい情報はこちらを参照してください。
なお、デコンパイルソフトなどを使用して表示可能に修正できたファイルは以前同様にご覧頂けるようにしましたが、修正できなかったファイルに関しては、黄色いアラートを表示させています。


追記:20111111
2011年11月9日にリリースされた Flash Player 11.1.102.55 では、表示上の重大な欠陥が修正されました。
Flash 表示時に黄色いアラートが表示される場合は、最新版の Flash Player に更新してご覧下さい。



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シリーズを続けています。初めてお越しの方は、総集編か、カテゴリーTOP(旧い順)からご覧下さい。
  →総集編 では、FreeHand の真の実力をご覧頂けます。
  →続・総集編 は、総集編の続編です。総集編と合わせてご覧下さい。
  →FreeHand_使い方 DTP編、FLASH編など含め、全10編。
  →FreeHand_INDEX はこちら
  →付録編 では、ざっくばらんな情報をご覧いただけます。諸々入れて全10編。
  →Tips編 1分で出来る小ネタ集など。全5編。
  →FreeHand VS CS4 では、最新版の Illustrator CS4 と比較しています。どうよ。
  →FreeHand VS CS5 では、最新版の Illustrator CS5 と比較しています。どうよ。どうよ。
  →FreeHand_入門編 Illustrator の作業が、FreeHand ではこんな感じ。全10編。
  →FreeHand_番外編 実践的に使える裏技テクニックほか、様々な情報を提供。諸々10数編。
  →すごいぞ FreeHand 編 今なお圧倒的な生産性の高さを誇る FreeHand の底力をご覧頂けます。
  →FreeHand VS Illustrator 初期バージョンから最新バージョンまで、ガチンコ比較してみました。

  → FreeHand インストール アクチベーションサーバ廃止に伴い、シリアルナンバーが公開されました。

  → FreeHand 関連 画像検索(一覧表示) 画像からリンクをたぐっていただけます。


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