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どっこい、FreeHand は生きている! [FreeHandで行こう!]

*2008年2月執筆 随時追記 最新記事は下段のトラックバック参照

前回、FreeHand 3.1J について書いたところ、それなりに反響がありましたので、アスペクトデザイン最大のこだわりでもある このデザインアプリケーションについて、じっくりとお話しをしたいと思います。
Adobe Illustrator ユーザーにこそ、ぜひ関心を持って頂きたい。
 

 
■FreeHandの最終バージョンとなった FreeHand MX(2003年3月発売) と、歴代アイコン。
 

***  
   

前回の 3.1J の時にも書きましたが、FreeHand は、ライバルソフトと言われた Adobe Illustrator に対し、常に機能面でリードしてきたと言われています。

新機能の特許侵害問題では、再三裁判で争っていたようで、Adobe社は 2度にわたって会社ごと FreeHand を買収する事で強引に解決させてしまいました。(敗訴の腹いせ?:実際には、特許技術の使用停止を要求された Adobe が和解を申し入れ、あろう事か会社まで乗っ取ってしまったのです)
Adobe社にとって FreeHand の存在は、葬り去ってしまいたい目の上のたんこぶだったのでしょう。
 追記:旧い記事のため、リンク先が削除されてしまいました。特許侵害問題のリンク先保管画像はこちら



さて、【どっこい、FreeHand は生きている!】、では、そんなに簡単に葬り去られてたまるかい! というユーザーからの思い入れで、ささやかながらの抵抗を試みたいと思います。

まず、機能面では、5年前に発売された FreeHand MXと、最新バージョンの Illustrator CS3 を比較しても、なお見劣りしないどころか、まだまだ FreeHand に分があると言わざるを得ない部分が多々あります。
FreeHand 買収後に開発された Illustrator CS3には、多くの FreeHand からの機能が 新機能として移植され「統合」したとのことですが、主に枝葉の部分をかいつまんで持って行っただけという印象です。その筋の話では、統合作業は相当困難なものらしく、基幹部分に関しては次期バージョン以降徐々にという事のようです。
(私は Illustrator CS3の正規ユーザーでもありますが、統合したという割には中途半端で、CS3には失望しています)
 
 
それでは、実際の機能差を紹介してみましょう。
 
■基本機能に関して(操作性の違いは以前からの仕様差の部分です)
・複雑に重なり合ったオブジェクトを、ロックなどをかけずに、下に隠れたものも直接自在に選択できる。
ツールを持替える事なく、グループ内のオブジェクトを選択できる。グループ内の隠れた部分を選択できる。
・ツールを持替える事なく、選択オブジェクトを含むグループ、複数のネストされたグループを選択できる。
ロック・解除がオブジェクト単位でできる。一回の解除で全てのロックが解除されるという心配がない。
マスク属性を維持。マスクの複雑なネストが可能。マスクの中身は外部から不用意に選択されない。
・パスの方向に制約されない複合パスが制作可能。
円や四角の形状属性は分解するまで保持。各コーナー別の角R指定や扇形変形も標準仕様
埋め込み画像の属性をそのまま内部に保持。出し入れ自在埋め込まれていても、外部アプリで編集可能。
TEXTインライングラフィック対応
・もちろん、マルチページ対応。ページ間リンク、マスターページ機能、シンボル編集機能など...

等々、FreeHandにとっては基本機能でも、Illustratorには出来ない、または手間取るという部分がこのようにあります。

■さらに、外部ファイルとの連携などでは、、、
・TIFFクリップパス・アルファレイヤー対応。
・FireWorks PNG レイヤー・編集対応。
FLASH SWF 読み書き対応。Flash Action Script(AS2)対応。

TIFF、PNG、SWFは、もともとFreeHand開発者グループが開発したフォーマットですから、基幹部分なのでしょう。
Flash や FireWorks との連携が WEB 開発には欠かせない今、対応の必要性は誰もが感じているところです。
Adobe社は、そのためにMacromedia社を買収した訳ですから、次期バージョン以降 徐々に対応していくものと思われます。


少なくとも、FreeHandは5年前のバージョンでそれらに柔軟に対応していました。CS3と比較しても、なお FreeHand に分があると主張するのは特にこの辺りです。

特に SWFは、Action Script(AS2)ごとFreeHandで読み書き可能なため、FLASHとの連携では、絶大な効果を発揮します。
SWFファイルを普通の画像のようにレイアウトできる。スクリプトもそのまま有効。FreeHand側で変形したり、スクリプトを書き加える事も可能。内蔵FLASHエンジンで即プレビュー可能等...



Illustrator CS3 は、Macromedia 買収後に、ようやくFLASHに対してラスターせずにコピーペースト出来るようになったとか、CS3のファイルを FLASHに読み込ませることが出来るようになった程度ですから、FreeHandの柔軟性に追いつくには、一朝一夕とは行かず、まだまだバージョンを重ねる必要があると思われます。

ちなみに、Action Script ごと読み書きが出来るという事で、どういう事が可能になるかについては、弊社ホームページ(旧)をご覧いただければと思います。(もちろん、現ホームページも同様の作り方です)


弊社ホームページは、FreeHand MX のマルチページ機能をベースとして作成、外部SWFファイルの読み込み、スクリプト追加、ページ間リンク、SWFの書き出し、HTML書き出しなど全て FreeHand で行いました。
   ※SWFのバージョンは、6対応になります。5年前の製品ですから致し方ありません。
     それでも、バージョン8のFLVも再生できているなど、いろいろ裏技で対応もできるのです。
 
 
 
FreeHandは、単体パッケージの他、Macromedia STUDIO MX(後期バージョン)と、MX 2004に同梱されているため、お持ちの方も多いと思います。(持ってるけど使った事が無いと言う方が大半?)
機会があれば、ぜひ使って頂ければと思います。
但し、Illustratorと同じ感覚で使うと違和感ばかりが先に立ち、使えないでしょう。全く別のアプリケーションという認識の上で試してみて下さい。基本操作等は、すでにマニュアル本等も無いため、分かりにくいと思いますが、私の周りでも教えてほしいという方が多いため、順次使い方を公開していこうと考えています。


 追記:ざくっと使い方を解説した、使い方編アップしました。
 追記:基本的な使い方を具体的に解説した、入門編アップしました。


闇に葬り去るなんてとんでもない、素晴らしいアプリケーションです。ぜひ興味をもって頂ければと思います。
まだまだ,当分の間は,第一線での使用が可能です。
本物の「使える」アプリケーションであると保証します。
 
 
 
 
 追記:INDEX(目次)を作成しました。 →INDEXはこちら  
 追記:総集編を作成しました。 →総集編はこちら

 FreeHand のことはよく知らないが、とりあえず興味を感じたという方は是非、総集編をご覧下さい。
 Illustrator しか知らないあなたは、驚きのアプリケーションパワーを目の当たりにすることでしょう。
 

 


追記2008年11月
ついにと言うか、ようやく、Illustrator CS4 に FreeHand と同じ仕様のマルチページが採用されました。FreeHand を買収しての、まんま移植ですが、呼び名は「複数のアートボード」。出来るだけ Freehand のマルチページをそのまま持ってきたと言うようには悟られたくないんでしょうが、同じものです。その証拠に、FreeHand のマルチページが、位置関係もそのままに開きましたから。 但し、マスターページやリンク機能など、当記事で紹介している拡張機能には未対応です。まぁ、ようやく同じ土俵にたどり着いたと言うところですね。詳しくはこちらで。  
 
 
 
追記2010年04月 Illustrator CS5 発表。  →FreeHand VS CS5 はこちら。
目玉機能は、FreeHand からそのまま移植された 3Dグリッド
細かなブラッシュアップは好感の持てるものだが、それにしても、FreeHand 開発停止から7年も経って、なにをしてるんでしょう。この7年は、立ち止まらせた FreeHand に、ただひたすら追いすがる月日だったということ?? しかも、まだまだ追いついた訳では全然ない。
目標とする FreeHand の開発を止めて、Illustrator 自身は、ただFreeHand からの機能移植だけの日々であれば、グラフィックソフトの進化は止まったままも同然。やはり、ライバル同士、切磋琢磨させないと!
いい加減、FreeHand の拉致状態を解除したらどうですか? ADOBE民主主義人民共和国さん。

FreeHand の版権を欲しがっているところはいくらでもあるし、高く売れるのに、やっぱ、手放せないのは、Illustrator が負けるからなんでしょうね。あるまじきライバル関係。相手を抹殺して優位に立つなんて...
こんなことを書かれるのが心外ならば、FreeHand をユーザーグループに返還して、正々堂々と、良いライバル関係を再燃させましょうよ。

   現在 FreeHand ユーザーグループは、ADOBE に対して、ソースコードの返還を要求しています。
   要求が通れば、Linux や Java のように、誰でも自由に使えるオープンソースとして公開の意向です。
   → 詳しくはこちら。
 
   → 訴訟の顛末はこちら。 ADOBE は、なにがなんでも FreeHand を手放そうとはしてくれません。  



追記:20130304  インストールに困った場合はこちら!!! まだまだ使えますからご安心を!  
FreeHand で行こう! のカテゴリートップとして、当ページには、随分「追記」が増えてしまいました。
特にインストールに関するトラブル関係の追記に関しては、2012年末に ADOBE がアクチベーションサーバを停止した事によるアクチベーションフリーシリアルナンバーの公開により、インストール関連のトラブルの心配が無くなりました。詳しくはこちらをご覧下さい。
よって、追記事項を若干なりとも整理する為に、当追記を以てインストール関連トラブルの追記事項を削除整理致しました。  
 
 
追記:20130624
FreeHand VS Illustrator でブログをまとめてみました。初期バージョンから最新の Creative Cloud まで ガチンコの機能比較が出来ます。当シリーズ全編ともリンクさせて解説していますので、是非ご覧下さい。

 


***

シリーズを続けています。初めてお越しの方は、総集編か、カテゴリーTOP(旧い順)からご覧下さい。
   →総集編 では、FreeHand の真の実力をご覧頂けます。
   →続・総集編 は、総集編の続編です。総集編と合わせてご覧下さい。
   →FreeHand_使い方 DTP編、FLASH編など含め、全10編。
   →FreeHand_INDEX はこちら
   →付録編 では、ざっくばらんな情報をご覧いただけます。諸々入れて全10編。
   →Tips編 1分で出来る小ネタ集など。全5編。
   →FreeHand VS CS4 では、最新版の Illustrator CS4 と比較しています。どうよ。
   →FreeHand VS CS5 では、最新版の Illustrator CS5 と比較しています。どうよ。どうよ。
   →FreeHand_入門編 Illustrator の作業が、FreeHand ではこんな感じ。全10編。
   →FreeHand_番外編 実践的に使える裏技テクニックほか、様々な情報を提供。諸々10数編。
   →すごいぞ FreeHand 編 今なお圧倒的な生産性の高さを誇る FreeHand の底力をご覧頂けます。
   →FreeHand VS Illustrator 初期バージョンから最新バージョンまで、ガチンコ比較してみました。

   → FreeHand インストール アクチベーションサーバ廃止に伴い、シリアルナンバーが公開されました。

***


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Q

こんにちは。Rabis TokのQです。お世話になっております。

私のMac OSはLeopardではなく10.4.11、Tigerなんですが、昨日いつも通りにFreeHandを立ち上げた所、何故か『認証の為にパスワードをいれてください』といったようなダイアログが出てきまして、こちらに書いてあることをうっかり忘れて認証してしまいました。

その後、×印は付きませんでしたが、何度起動しようとしても反応しなくなり、結局『AppZapper』というソフトを使ってFreeHand絡みのデータを全て消去して再インストールすることになりました。

再インストール後、通常の認証の案内がでて、さすがにネット経由は怖いかと思ったんですが、電話でやるを選んでもなんかメンド臭そうだったので、物は試しとネット認証してみたら、今度は何事も無く起動します。

その後、何度か起動・終了を繰り返してみても、問題なく動きますし、昨夜のような認証を促すダイアログも出てきません。一体何が原因だったのか、よくわからない状況です。個人的にはQuick Timeかセキュリティーアップデータのバージョンアップ絡みが怪しいと踏んでいるんですが、いずれにせよ、はた迷惑な話です。なんとかしてもらいたいですね。

それで、FreeHand MXの一番最終のバージョンって『11.0.1 ビルド74』でしたっけ? なんかよくわからなくなってしまって…。
by Q (2008-10-06 23:22) 

aspect

Qさま。いつもブログ拝見しています。
こちらの環境も10.4.11 Tiger です。
FreeHand の日本語版最終バージョンは11.0.1 ビルド74ですが、英語版は 11.0.2が最終です。

こちらでは お知らせいただいたようなダイアログは今のところでていませんが、おっしゃる通り 2008セキュリティアップデート006、QuickTime 7.5.5インストール以降、不可解な現象が出ています。Q様の現象と合わせて考えると、どちらかとの相性に原因がありそうですね。これからは、うかつにアップデートするのも考えものです。(場合によっては、セキュリティアップデート005に戻そうかとも考えていますが....)

こちらの不可解な現象は、(旧書類の)ブレンドされたグラデーション塗りの、サブカラー側(右側の色)を変更しようとすると必ずクラッシュするというものです。複数書類・複数のMACで確認し、確実な再現性がありました。但し、新しく作成した書類では問題は発生しません。(but, 旧書類のブレンドオブジェクトを新書類にコピーしたものでは同様にクラッシュします) 上記アップデート以前には全く無かったトラブルです。

現在のところ確認しているのは上記のみですが、他にもあるかもしれませんね。確認出来れば報告するように致します。

ところで、私は、89年の日本GP500のシュワンツとレイニーの熾烈なバトルが、いまだにまぶたに焼き付いて離れません!
by aspect (2008-10-07 03:12) 

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